猫の健康診断受診率


ペットの健康寿命を延ばすことについての考え


猫の健康診断の日


健康診断での病気・異常の発見率

ペットの予防医療の啓発・普及活動を展開する獣医師団体一般社団法人Team HOPE(チームホープ、代表:上條 圭司)では、犬と猫の飼い主・ご家族(以下、ご家族と表記)412名を対象に、「ペットの健康管理に関する実態調査」を実施いたしました。この調査は2016年から毎年実施し、今回で8回目となります。

長く一緒に暮らす家族の一員として、猫に定期的健康診断を受診させる人は、39%と昨年から横這いですが、調査を開始した8年前に比べると15%も増加しており、外出を嫌がり病院に連れていきにくいと言われる猫においても、定期的な健康診断の受診が増えています。また「ペットの健康寿命を延ばすことが大切」と考えている猫のご家族は、93%と過去最高となり、人間同様に猫にも末永く健康でいてほしいと考える方が増加しています。

健康診断は、定期的な受診で病気の兆候の早期発見と早期治療により、健康寿命の延伸に繋がります。猫の寿命が15.79歳(※1)と年々延びる中、Team HOPEは健康診断をさらに啓発していくことが必要と考えています。
※1 一般社団法人ペットフード協会 令和5年全国犬猫飼育実態調査

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猫の健康診断受診率

猫 N=206を一般社団法人ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査の猫の年齢構成でウェイトバックし算出

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ペットの健康寿命を延ばすことについての考え

猫のご家族 N=206

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猫の健康診断の日

体調不良をご家族に見せない習性があり、病気の発見が遅れがちな猫にも、健康診断受診の必要性を啓発するために、Team HOPEでは2021年に「猫の健康診断の日」を制定しました。Team HOPEの賛同動物病院では、この日に合わせて、猫の健康診断を積極的に実施しています。
賛同病院の検索はこちら https://www.teamhope.jp/approval

今回の調査によって、猫の健康診断や健康管理について、その他にも次のことが明らかになりました。


■健康診断で病気や異常が見つかった経験は猫全体で24%。7歳以上では30%、7歳未満では19%と、高齢になるほどリスクが高まる。

猫は特に泌尿器の病気や異常が見つかることが多く、病気が見つかった場合の38%を占めているのが特徴です。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/384221/LL_img_384221_4.png
健康診断での病気・異常の発見率

■健康診断を受けている猫が受診している項目は、問診・視診・触診が約8~9割。聴診、血液検査は6割。泌尿器や消化器、内臓疾患の発見に役立つ、尿検査・レントゲン・便検査は2~3割の受診にとどまる。特に泌尿器の疾患が多い猫は、尿検査の受診を増やすことが今後の課題。

受診が多いのは、問診85%、触診84%、視診78%、血液検査61%、聴診55%。猫に特に多い腎疾患や泌尿器疾患、糖尿病等の発見に繋がる尿検査は27%と低く、大きな課題です。肺や心臓、内臓の異常を診るのに役立つレントゲン検査も22%と低く、腫瘍や心臓疾患の発見に繋がる超音波(エコー)検査は14%が受けており、8年前の7%から倍増しています。問診・視診・触診・聴診・血液検査・尿検査・レントゲン検査の7項目は、大切なペットの全身の健康状態を正しく把握するためにぜひ受診してほしい項目であるとTeam HOPEはすすめています。
※Team HOPE健康診断解説動画 猫編 http://teamhope-f.jp/healthexam/cat.html

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健診項目

■尿検査、レントゲン検査を受診しない理由は、「獣医師からの勧めがなかったから」が58%、「この検査内容で十分と思ったので」が21%、「健康診断のコースに含まれていないので」「検査項目が増えると費用がかかるので」が13%。

ご家族側は尿検査やレントゲンの受診に消極的というわけではなく、獣医師に勧めていただくことが、質の高い健康診断の受診につながると推測できます。

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尿検査・レントゲン検査を受診しない理由

■猫が定期的な健康診断を受診したきっかけは、「健康診断はペットにとって大切と思っていたから」が53%と圧倒的に多く、次に「動物病院ですすめられて」33%が続く。ご家族の健康管理の意識が高くなってきていることが伺われる。

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定期的な健康診断受診のきっかけ

定期健診受診者 N=81


■健康診断についての考え方で、「お金がかかってもペットの健康のために健康診断を受けさせたい」と考える猫のご家族は45%。2016年は33%で、12ポイント増加。猫の健康管理に意識の高いご家族が増えている。

2017年以前は、「手頃な価格なら健康診断を受けさせたい」という考え方が優勢でしたが、2022年以降、「お金がかかってもペットの健康のために健康診断を受けさせたい」という考え方が逆転し、猫のご家族の意識が大きく変化しています。

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健康診断に対する考え方

<今回の調査について>
一般社団法人Team HOPE代表 ゼファー動物病院グループ代表 上條 圭司

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上條 圭司代表

私たちTeam HOPEは2021年に、「猫の健康診断の日」を2月22日(にゃんにゃんにゃん)と定め、健康診断受診の啓発活動を推進してまいりました。一般的に、猫は用心深く外出をいやがることが多いため、動物病院に連れて行きにくいと考えているご家族も多いのではないでしょうか。調査結果にもあったように、猫は7歳以上になると泌尿器の疾患のリスクが高まります。体調が悪くなってからの受診では、病気が進行していることもあります。毎年健診を受けると年齢的な変化や病気の兆候にも早く気づくことができるので、健康な時から健康診断を受けさせるという事は決して無駄な事ではありません。
Team HOPEが定めている健康診断は、問診、視診、触診、聴診、血液検査、尿検査、レントゲンの項目があり、全国どこの動物病院でも同じ内容で受けることができます。飼い始めから、その子をよく知っている獣医師にその子にあった健康診断について相談していただき、あなたとあなたの猫が末永く元気に暮らしていけるよう願っています。


<調査概要>
調査方法:インターネット調査
詳細はこちら https://teamhope-f.jp/content/files/report/2023report.pdf

1)調査対象者:犬、猫のご家族412名(全国、20歳以上)
(内訳)
犬のご家族206名(最年長の犬の年齢7歳未満 103名、7歳以上103名)
猫のご家族206名(最年長の猫の年齢7歳未満 103名、7歳以上103名)
2)実施期間 :2023年12月13日~14日


<一般社団法人Team HOPE> http://teamhope-f.jp/
全国の獣医師・動物病院がTeamとなって、ペットの予防医療と健康管理の普及・啓発活動を推進し、ペットにやさしい社会の実現を目指すプロジェクト。全国2750を超える病院が賛同している。
情報提供元: @Press