富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:浜 直樹)が提供するデジタル複合機・プリンターに対して、一般社団法人日本セキュリティ格付機構(略称:JaSRO、本社:東京都中央区、代表理事:三好 宗一郎)は、NIST(米国国立標準技術研究所:National Institute of Standards and Technology)の基準を用いた情報セキュリティ格付け最高位の「AAAis」(*1)を付与しました。同社は昨年わが国で最初にデジタル複合機・プリンターを対象に「AAAis」を取得しましたが、本年の新機種についても今般新たに「AAAis」を取得しています。
今回、NIST(米国国立標準技術研究所:National Institute of Standards and Technology)への対応環境においてデジタル複合機・プリンターを使用される事業者向けに提供するデジタル複合機・プリンターにおける、情報漏えい、データ改ざん、情報への不正アクセスの攻撃、重要情報の取得・利用・保管・移送・消去等におけるトータルな取り組み状況について、「NIST SP800-171」及び「NIST SP800-172」への準拠性の観点から審査を行いました。主な取り組みは以下の通りです。
高水準のセキュリティ機能として、複合機が起動する際のすべてのプロセスで改ざんを検知、自動復旧できることや、ASLR(Address Space Layout Randomization)に対応しており、メモリ上のデータ配置をランダム化することで、万が一、脆弱性があった場合にも、同じ攻撃ツールで多数の複合機を攻撃できないようにしています。
(1)改ざん検知復旧機能の強化 ハードウェア内のRoot of Trustを使った起動時改ざん検知(セキュアブート)機能として、セキュアブートの信頼の起点(Root of Trust)をハードウェア内に持つことで、改ざんをより困難(殆ど不可能)にしています。Bootloaderが改ざん検知した際の自動復旧機能に追加して、OS、Middleware/Applicationの改ざんを検知、自動復旧する機能を実装しています。また、改ざんを検知した/復旧したことを監査ログにて確認することができます。
(2)監査ログ機能の強化 サイバー脅威ハンティング活動の一部として、監査ログの監視・分析・報告を可能とするために、Syslogを用いて監査ログを外部サーバに送信していますが、その項目に「スキャン文書の転送先」「複合機を特定できる情報」を追加しています。監査ログのデータ形式は、SIEM(Security Information and Event Management)などで解析しやすいものとしています。
(3)SMB3.1.1のサポート スキャン送信(SMB)・ジョブフロー(SMB転送)にてSMBプロトコル(ファイル共有プロトコル)が、Windows10、Windows11に搭載しているSMB3.1.1に対応するよう機能を追加しています。SMB3.1.1には、暗号化と認証を同時に行うことができる共通鍵暗号方式であるSMB暗号化の機能AES-GCM(Advanced Encryption Standard - Galois/Counter Mode)が実装されています。