神経免疫疾患の代表的な疾患である多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)(注5)は、近年毎年のように登場する新薬によって十分な治療が可能となりましたが、生涯にわたって付きあう必要がある慢性疾患であり、疾患の抑制に加え、患者の生活の質(Quality of Life:QoL)の向上が、治療目標として不可欠となっています。しかしながら、QoLに影響を与える各疾患の因子は明らかでなく、簡易な手法で入手可能な評価尺度の確率は、これからの神経免疫疾患の治療戦略には必須となります。そのため、本研究では多発性硬化症患者のQoLと関連しうる因子を突き止めることを目的に検討を行います。
(注4)脳画像解析プログラム「icobrain」:Icometrix, NV (本社:ベルギー王国ルーベン、CEO:Wim Van Hecke)が提供する脳画像解析ソフトウェア。MRI画像またはCT画像から白質及び灰白質をセグメント化し、全脳および各領域の脳容積を測定、経時的な変化も定量的に比較できる。