- 週間ランキング
共に自らの名前をブランド名に掲げ、20紀前半の化粧品業界に革命を起こした二人の女性――エリザベス・アーデンとヘレナ・ルビンスタイン。その生涯にわたるライバル関係を描いたミュージカル『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』が、5月7日(日)に日生劇場で開幕した。
画像 : https://newscast.jp/attachments/rc1p7K6XFz7eTu7JkQqD.jpg
二人の主演女優が共にトニー賞にノミネートされるなど、ブロードウェイで大きな話題を呼んだ本作。日本初演は演技派で知られる明日海りお&戸田恵子を主演に迎え、期待通り、目を見張るほどの華やかな美しさの奥に、愛と苦悩、誇りと葛藤といった心の機微が切なく浮かび上がる舞台となった。
明日海演じるエリザベスはパッケージのかわいらしさを重視、戸田演じるヘレナは科学的成分を重視。正反対の方法で美にアプローチし、対立感情をあらわにする二人は、衣裳の色合いも対照的。だがその人生を交互に見るうちに、むしろ時代のパイオニアとして重なる点が多いことに気付かされていく。あくなき美への探究心。困難をアイディアで乗り越えるパワー。そして、どんなに成功しても、女性として、移民として、アウトサイダーの扱いを受け続ける哀しみ……。
エリザベスの夫トミー(上原理生)、ヘレナの片腕ハリー(吉野圭吾)の存在も重要だ。互いにライバル会社に寝返り、エリザベスとヘレナの関係をより複雑にしてしまう男性たちだが、その願いは“自分を認めてほしい”という極めてシンプルなもの。パートナー交換で敵の手の内を知り、禁忌ともいうべき罠を仕掛け合ってしまう4人は、聖人君子には程遠い。でもだからこそ、彼らの人間らしい喜怒哀楽の発露に、否応なく共感させられてしまうのだ。
画像 : https://newscast.jp/attachments/cs2IIYSgUi8zUGSO7usa.jpg
強い女性二人を主人公に、その感情とエネルギーの応酬で紡ぎ上げたような作品だが、初日に先立ち取材会に応じた明日海と戸田は、朗らかそのもの。互いについて「テレビで拝見していた印象よりも、普段はおしとやかで静かな方。でも舞台に立たれるとパワフルで、止まることなく進化していかれる」(明日海)、「宝塚の元男役とは思えないほど華奢だが、本当にタフ。さすが宝塚で数々のステージを踏んでこられた方」(戸田)と、笑顔でリスペクトを表した。日本初演作ということで「やることがこんなにたくさんあるんだなと。その分、やりがいがあり、愛が詰まった作品になったと思います」と思い入れを語った明日海。一方、「絶頂期から始まり、落ちていく様を描く珍しい形態のミュージカル。切ないけれど、美しい。最後まで美しいです」という戸田の弁は、本作の魅力を端的に表していた。
努力を重ね、望むものを手にしたはずのエリザベスとヘレナが辿る道はほろ苦さを伴う。だが幕が降りた後、胸に残るのは不思議な清々しさだ。差別と偏見、時代の波と譲れない信条とのせめぎ合いなど、今に響くテーマも満載の作品。女性はもちろん、自分らしく生きたいと願う全ての人にパワーを与えてくれる作品だ。
画像 : https://newscast.jp/attachments/zUb6TpfuLMfXTzOL7VWT.jpg
画像 : https://newscast.jp/attachments/dqJF1gqlWckRpnWZPd2H.jpg
画像 : https://newscast.jp/attachments/z86H4wkPMFrJ2Vrmqwa4.jpg
画像 : https://newscast.jp/attachments/eFnP0ofBCy8yHabVKvan.jpg
<公演概要>
タイトル:『エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-』
脚本 ダグ・ライト
音楽 スコット・フランケル
歌詞 マイケル・コリー
翻訳 / 訳詞 / 演出:G2
出演:
エリザベス・アーデン 明日海りお
ヘレナ・ルビンスタイン 戸田恵子
トミー・ルイス 上原理生
ハリー・フレミング 吉野圭吾
朝隈濯朗 後藤晋彦 俵和也
井上珠美 河合篤子 罍陽子 小林由佳 原広実 彩花まり 美麗 吉井乃歌
日程・会場:
<東京公演>2023年5月7日(日)〜17日(水) 日生劇場
★スペシャル・トークバック開催!
日本初演を記念して、ブロードウェイ版のクリエイティヴ陣が来日!
日程限定で、カーテンコール内にて日本公演主演2名と共に、作品について語るトークバックを開催いたします。
ミュージカル「エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン」誕生にまつわるプレシャスなお話を聴くことができる唯一の機会を、ぜひ劇場でお楽しみください。
★ 5月8日(月)18:00回登壇: スコット・フランケルさん(音楽)
★ 5月9日(火)13:00回登壇: マイケル・コリーさん(歌詞)
★ 5月9日(火)18:00回登壇: ダグ・ライトさん(脚本)
チケット:S席:14,000円 A席:9,000円 B席:4,500円 (税込 / 全席指定)
※未就学児入場不可
※車椅子を利用されるお客様はご来場前に必ずお問い合わせへご連絡ください。
※今後の社会情勢に応じて、開演時間ならびにチケットの販売等が変更となる可能性がございます。
※出演者変更による払い戻しや他日への振り替えはいたしかねます。
<大阪公演> 5月27日(土)〜29日(月) 森ノ宮ピロティホール
<名古屋公演> 6月2日(金)〜4日(日) 御園座
<京都公演> 6月8日(木)〜13日(火) 京都劇場
公式サイト:https://warpaint.jp/
公式Twitter:@warpaint2023 https://twitter.com/warpaint2023
製作 TBS / 研音
画像 : https://newscast.jp/attachments/5WnumYTR1uxY6zVuxYqU.jpg