この研究に携わった南オーストラリア大学博士課程の学生、Mauritz F. Herselman氏は、次のように話しています。「くるみが健康に良い食べ物であるということは既に知られていましたが、今回の無作為化臨床試験という研究デザインと16週間という比較的長い介入期間の研究の結果、くるみを食べるか食べないかというシンプルな違いが、いかにストレスの軽減に影響を与えるかが、より明確に示されました」。今回の無作為化臨床試験では、研究参加者の自己評価のみでなく、唾液や血液検体を用いたストレスマーカーの比較検討や、参加者の一部には、糞便検体を用いた腸内細菌叢の比較検討も行われました。その結果、くるみを食べた群では、ストレスの軽減に関連するマーカーが増加していました。 また腸内細菌叢に関しては、女子学生では学業ストレスによって多様性の低下が認められ、くるみを食べた群ではそのような多様性低下が軽減されていたことが確認されました(男子学生は女子学生より人数が少なかったため、有意な変化は確認されませんでした)。
【参考資料】 ※1. Herselman MF, et al. The effects of walnuts and academic stress on mental health, general well-being and the gut microbiota in a sample of university students: A randomised clinical trial. Nutrients. 2022;14:4776.
※4. Shiratori Y, et al: A longitudinal comparison of (C)ollege student mental health under the COVID-19 self-restraint policy in Japan JAD Reports 8, April 2022, 100314 doi.org/10.1016/j.jadr.2022.100314
※5. Freitas-Simoes TM, Wagner M, Samieri C, Sala-Vila A, Grodstein, F. Consumption of nuts at midlife and healthy aging in women. Journal of Aging Research. 2020;5651737.
※6. Arab L, Guo R, Elashoff, D. Lower depression scores among walnut consumers in NHANES. Nutrients. 2019;11(2):275.
※7. Pribis P. Effects of walnut consumption on mood in young adults-a randomized controlled trial. Nutrients. 2016;8(11):668.
※9. Lindseth G, et al. The Effects of Dietary Tryptophan on Affective Disorders. Archives of Psychiatric Nursing. 2015;29(2): 102-107. *くるみはナッツ類の中で唯一、植物性オメガ3脂肪酸であるアルファ(α-)リノレン酸を多量に含んでいます(30g当たり2.7グラム)
【カリフォルニア くるみ協会について】 1987年設立のカリフォルニア くるみ協会 California Walnut Commission(CWC)は、カリフォルニア州の4,500以上のくるみ生産者と、75社に及ぶ加工・販売業者を代表する機関です。カリフォルニア くるみ協会は、世界の輸出市場の開拓活動に関わり、くるみの健康に関する研究を実施しています。アメリカで生産されるくるみの99%以上は、カリフォルニア州の肥沃な土壌で栽培されており、世界で流通するくるみの50%以上を占めています。