■採用背景と実施内容 製造・プラント業界では熟練技術者の退職や少子高齢化、若年者の生産現場離れが原因となり、生産設備の稼働を維持する現場の技術者・保全要員・作業員等の人手不足が進んでいます。そのような状況下で、点検作業など人的リソースを必要とする定型化した業務負荷の削減が必要不可欠となっており、ロボティクス活用の需要と検討機会が増えています。東京ガス 根岸LNG基地においても、将来的な人的リソースの代替や業務効率化の実現を目的とした実証実験が行われ、米国Boston Dynamics社のSpot(R)の活用とともに、Cogniteの提供するDataOpsプラットフォームのCognite Data Fusion(R)と、ロボット制御・管理を行うソフトウェアのInRobotが採用されました。 Cogniteは本実証実験において、ロボットに積載するカメラ(360度、赤外線)、レーザースキャナなどの様々な測定センサーから、基地内にある装置やアナログ計器からの画像を収集し、AIによって取得画像をデジタル化させ、データ活用におけるシステム構築や日常点検の自動化ソリューションを提供しました。
■Cognite Data Fusion(R)とInRobotとは CogniteのCognite Data Fusion(R)は、ロボットに積載するセンサーが収集する画像、映像データをリアルタイムにCognite Data Fusion(R)に取り入れ、プラント・工場における様々なデータと関連付けることで、人や機械、アプリケーションで活用できるようにします。ロボットによる自動点検においては、対象設備を自動的に巡回して画像等の取得したデータを即座に解析して活用することが求められます。Cogniteの提供するアプリケーションであるInRobotは、Spotをはじめとする最新のロボットやドローンと連携し、ゲージ類、表面温度、液漏れ等の撮影・収集を行い、画像データはAIによりデータ基盤へ即座に集約され、Web画面からの簡単かつ柔軟な自動点検ミッションの作成と実行を可能にします。 データは機器ごとに整理して取り出しやすい形で格納され、画像解析等などの処理を自動的に適用されます。また、AIが読み取った結果を時系列値として保管し、値の監視を行うアラート通知機能も備えているので、機器の異常を検知した場合には即時通知を行うことができます。このように、Cognite Data Fusion(R)上に構築したInRobotは、ロボット、データ基盤、AI、監視ツールの全てを連携させ、現場オペレーターのパトロール業務を自動化し、業務負担削減に大きく貢献できるソリューションです。
■Cogniteについて 2016年にノルウェーで設立、世界中の製造業や石油・ガス、電力などの重厚長大産業向けにDataOpsプラットフォームやアプリケーションを提供し、本格的なデータ活用によるDXをサポートするSaaS企業。DataOpsプラットフォーム「Cognite Data Fusion(CDF)」は、製造・電力各社のDX実現の導入実績多数あり。Cognite株式会社は、Cognite社の100%出資子会社として2019年11月に設立、Cogniteの主力製品となるCDFの日本国内における販売、マーケティング、およびサポート拠点。