肉厚で香りが芳醇な有機JAS乾燥シイタケ


ビビッドなパッケージで販売する有機JAS乾燥シイタケ(写真中央)など


厳寒期の自然開放型栽培ハウス内。5℃足らずでも太陽光があれば順調に生育している有機JASシイタケ

有機JAS菌床キノコメーカー、株式会社ハルカインターナショナル(岐阜県郡上市和良町横野919、代表取締役会長:井上九州男)は、2023年春から有機JAS乾燥シイタケを「ハルカの有機JAS乾燥シイタケ」として、大手流通経由で本格販売を開始します。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/342178/LL_img_342178_1.jpg
肉厚で香りが芳醇な有機JAS乾燥シイタケ

ハルカ社では、乾燥シイタケについては試行販売のみで、本格販売してきませんでした。消費者庁による産地偽装解消への取り組みを受けて、国産の乾燥シイタケの需要が急拡大するとみて、自社の農場敷地を拡大し、新たに乾燥シイタケ用の栽培ハウス50棟を増築、2024年から年間50トン規模の出荷ができる体制に増強していくことにしました。乾燥シイタケ増産に向けて、岐阜県内の雑木を原料として自社製造をしている菌床も増産に入ります。

ハルカ社の生シイタケは旨味、香りが強い点が消費者や流通に評価されており、乾燥シイタケについても、その特性がさらに強い種苗法登録品種ハルカ19号をシイタケ種菌に活用していきます。菌床栽培方式で、香味が強くて肉厚の高品質な乾燥シイタケを量産できるのは自社のみ、とハルカ社ではみています。国産の乾燥シイタケのほとんどは原木栽培方式で作られています。一方、国産の生シイタケのほとんどは菌床栽培方式で作られています。
菌床栽培の生シイタケを乾燥させて販売することは可能ですが、原木栽培に比べて、シイタケの組織が緻密ではないため、旨味成分が少ない上、乾燥させることでカサや軸が肉厚でなくなり、貧弱な形状となり、商品価値が劣るため、これまでに菌床栽培の乾燥シイタケ商品は本格的に流通していません。

ハルカ社の生シイタケは乾燥させてもカサや軸が肉厚のままの形状で、旨味成分も多いことが成分分析検査によって判明しています。取引先の複数の著名レストランシェフの皆さまからは「高級チーズの、甘い匂いと同じような芳醇な香りがする」という評価を受けています。ハルカ社では創業の1996年当時から、独自の自然開放型栽培を追究し、2009年には世界に先駆けて栽培キノコで有機JAS認証を取得しています。野性味あふれる有機JASシイタケは、独自開発の種菌や創意工夫を重ねる菌床製造、独自ノウハウの培養管理によって生まれてきます。業界の常識を覆してきた栽培技術によって、新たに「菌床栽培の乾燥シイタケ」という商品価値の創出を図っていきます。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/342178/LL_img_342178_2.jpg
ビビッドなパッケージで販売する有機JAS乾燥シイタケ(写真中央)など

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/342178/LL_img_342178_3.jpg
厳寒期の自然開放型栽培ハウス内。5℃足らずでも太陽光があれば順調に生育している有機JASシイタケ

残念ながら、キノコ業界では一部の悪質な国内流通卸業者や生産者によって長年、海外産のシイタケ菌床や生シイタケ、乾燥シイタケを国内産に表示偽装を行い、販売するという犯罪行為が横行しています。このため、消費者庁や農水省では2022年4月から生シイタケ、2023年4月からは乾燥シイタケについて、産地表示の厳格運用を開始しています。
特に乾燥シイタケの産地偽装は国内産が中国産と比較して、価格や品質、生産量において競争力を失った30年以上前から潜在しており、「国内産」「○○地方産」という産地表示のみで産地のトレーサビリティーが全く確認できない商品が多数、流通しています。消費者庁などは、この現況の解消に向けて食品表示法の産地表示の厳格運用に踏み切りました。

乾燥シイタケの産地偽装が横行している背景には、2022年に偽装が明らかになって社会問題化したアサリやシジミなどと同様、「需要があるのに供給が追い付かない現状」があるために、産地偽装が行われています。林野庁などの統計では、乾燥シイタケの国内需要は年々減少傾向にありますが、年間8,000トン規模が流通し、その6割程度が中国産となっています。ただし、産地偽装が行われているため、実態では中国産が占める割合もさらに高いとみられています。

国内の乾燥シイタケ業界は昭和40年代から50年代にかけて、原木栽培農家が香港市場に輸出するなど、栽培や流通が旺盛でしたが、日本で先駆けて技術開発が行われていた菌床栽培方式の技術が国内で活用されることなく、中国など海外に渡り、生シイタケ、乾燥シイタケとも中国からの輸出攻勢で、国内業界が競争力を失いました。特に乾燥シイタケの栽培は、国内業界が原木栽培方式に固執したのに対して、中国では原木栽培に比べ、大量生産が可能な菌床栽培方式を国家を挙げて導入し、技術向上を図ることで乾燥シイタケも量産してきました。

ハルカ社では、これまでの業界の経緯を踏まえて、SDGs社会の到来の中、より消費者目線に立った乾燥シイタケ商材の販売を開始します。消費者を対象にした自社聞き取りアンケートの結果、「香信」や「どんこ」などという生産者、業界目線の品質表示が消費者にとってニーズが低く、分かりにくいため、ハルカ社では「有機JAS乾燥シイタケ」のみの表示とします。また、多くの消費者は乾燥シイタケの形状が揃っていることにこだわっていない傾向にあるため、形状がほぼ無選別に近いパッケージ品とします。

ハルカ社が立地する岐阜県郡上市和良町では、「日本一のアユ」の認定を過去何度も受賞している和良川に代表されるオーガニックな水資源、菌床原料にも活用している飛騨地域などのオーガニックな広葉樹資源、不用菌床を優良堆肥として再活用するオーガニックな農地に恵まれています。ハルカ社の循環型農林業モデルは、冷房や暖房など石油由来の電気エネルギーを使わず、環境負荷をかけないことで有機JAS認証を先駆けて獲得し、有機栽培のキノコ市場を創出してきました。また、2023年内に1ヘクタールの農地を確保し、キノコ栽培を終えた不用菌床を農地の有効な堆肥として活用します。その上で菌床原料の栄養材となる有機農産物を自社で栽培、活用することで、より循環型の農林業モデルを構築していきます。
さらに新たに本格販売を開始する乾燥シイタケなどドライフーズは、乾燥することで栄養価や旨味成分を増やし、食品の賞味期限を延ばすことができるサスティナブルフードとして再評価が始まりました。ハルカ社は循環型農林業の推進や時代が求める潮流にもなってきた循環型経済移行のカギは、消費者の消費選択にあると考え、生産者から消費者に向けて様々な情報発信にも努めていきます。


【会社概要】
商号 : 株式会社ハルカインターナショナル
代表者: 代表取締役会長 井上九州男
所在地: 岐阜県郡上市和良町横野919
設立 : 2006年11月
URL : https://www.haruka-int.jp/
情報提供元: @Press