信州の山小屋応援プロジェクト


涸沢ヒュッテ


涸沢カールの紅葉


山小屋の公益的な活動~登山道を塞ぐ倒木の撤去

長野県は、新型コロナ感染拡大、原油価格高騰の影響により厳しい経営環境に置かれている県内の山小屋を応援するため、ふるさと納税を活用したクラウドファンディング「信州の山小屋応援プロジェクト」を2022年9月30日(金)まで実施中です。

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信州の山小屋応援プロジェクト

○コロナ禍での山小屋営業はどのような苦労があるのか。
今回、涸沢ヒュッテの小林 剛社長にコロナ禍での営業についてお伺いしました。

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涸沢ヒュッテ

■定員削減で収入は減少、一方で物資輸送やコロナ対策、価格高騰・・・支出の増加に歯止めがかからない
―宿泊定員を半分以下に削減して営業、値上げをしても収入は大幅減。天候など不安定要素も・・

以前は、部屋の空きがないときは食堂なども使い、多いときで1日600人ほども受け入れていましたが、現在は宿泊定員を半分以下にして予約制を導入。最大でも1日150人ほどの利用となっています。3,000円の値上げをしたそうですが、定員削減の影響は大きく、収入は大幅に減少してしまいました。
予約自体はすぐにいっぱいになりますが、直近の天候に左右されます。一度に100人のキャンセルが出ることもあるそう。小林社長は「今年の9月も台風がどうなるか・・」と心配そうな声を漏らしていました。

―物資輸送やコロナ対策、あらゆるモノの価格高騰により、支出は大幅増

涸沢ヒュッテでは、物資は全てヘリコプター輸送です。年々ヘリ輸送のコストは上がっており、今年は原油価格の高騰も相まって、売上の1割ほども占め、経営を圧迫しています。また、陶器の皿やガラスのジョッキなどを全て使い捨ての紙やプラスチックのものに変えたそうで、そうした感染対策に要する経費も増え、日々の負担となっています。
また、従業員(人件費)については、登山道の維持管理、例えば橋の上げ下ろし、コースの整備などに人手が必要で、安全登山、雇用を守るといった観点からも、コロナ前の水準を維持しているとのこと。経費の節減も難しく、経営的には余裕がない状況が続いています。

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パノラマコース整備の様子

■営業自粛を経て、より山小屋が重要な存在と認識
また、今年の新型コロナウイルス・第7波では、長野県内の複数の山小屋でスタッフが感染し、営業ができなくなりました。
涸沢ヒュッテでも、予約制やキャンセル料の導入、使い捨て食器の利用、各入口でのアルコール消毒、受付のビニールカーテンや食堂のアクリル板の設置などの感染対策を行っていました。それでも、スタッフの感染が発覚し、小屋の営業ができなくなりました。
緊急時の受入やテント場については、近くにある涸沢小屋に受付業務を依頼するなどして対処。(両小屋は、これまでも、物資のやりとりなど、何かあった際には協力し合ってきました。)営業再開にあたり、スタッフが寝泊まりする部屋にもロールスクリーンを導入するなど、さらなる感染対策を講じ、細心の注意を払っています。
営業休止時、登山者の方から様々な意見をいただいたといい、小林社長は「「別の小屋をとってほしい」など、どうしようもない電話もあったが、批判も含め、それだけ山小屋は登山者にとって重要な拠点だということだ」とおっしゃっていました。


■紅葉で涸沢に来られる方へ。十分な準備と感染対策を。
秋山シーズン、涸沢ではカールに広がる美しい紅葉が有名です。今シーズンも8月末にパノラマコースが無事開通。9月第4週、ちょうど今週あたりから見頃になるということです。
例年、紅葉の時期は、経験のある登山者だけでなく、県内外から登山の知識に乏しい方や初めて来る方も多いそうで、登山の意識で情報収集や装備など事前準備を徹底することや、徐々に日が短くなってきていることもあり、早出早着といった登山の基本を守ってほしいとのことでした。また、山に来ると開放感からなのか、マスクを外したままにしている方も多いそうで、山小屋ではマスクの着用をはじめ、感染対策をお願いしたいとのことでした。

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涸沢カールの紅葉
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9.11現在の涸沢(1)
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9.11現在の涸沢(2)

■頑張る山小屋にエールを。
今回、涸沢ヒュッテに現状などをお聞きしましたが、コロナ禍に加え、かつてない規模の価格高騰、新型コロナ感染状況も予断を許さない状況の中、先々の不安と戦いながら、営業を継続されています。
まずは出来ることから、このクラウドファンディングを通じて、信州の山小屋へのエールを送りませんか。いただいたご支援、メッセージは、県が責任を持って山小屋に届けます。
山小屋の皆さまへのご支援を、よろしくお願いします。

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寄付募集HP_二次元バーコード

■信州の山小屋応援プロジェクト概要
1. 目標金額
2,000万円

2. 募集期間
2022年7月1日(金)から9月30日(金)まで

3. 寄付金の使い道
山小屋に均等に分配し、登山道の維持管理、山岳の環境保全、新型コロナウイルス感染防止対策などにご活用いただきます。

4. 寄付の方法等
寄付募集サイト https://www.furusato-tax.jp/gcf/1742 から寄付
※インターネット以外での手続きを希望する場合は、書面による寄付の申出を受け付けます。詳しくは、長野県『日本のふるさと信州』応援サイト( https://nagano.tax-furusato.jp/ )をご参照ください。
※お寄せいただいた寄付金は、ふるさと納税制度による税制上の優遇措置が適用され、確定申告を行うことで税控除を受けることができます。
※誠に申し訳ありませんが、こちらの寄付に対してお礼の品はお送りしておりませんので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

5. 後援
株式会社山と溪谷社、株式会社ヤマップ、日本山岳救助機構合同会社(jRO)、
チーム安全登山(ヤマレコ、ヤマテン、やまきふ共済会)、株式会社モンベル、
AUTHENTIC JAPAN株式会社(COCOHELI)、味の素株式会社

6. 昨年度の募集実績
募集期間:2021年7月2日(金)~9月30日(木)
寄付総額:19,427,220円(企業・団体を含む751人)
分配額 :151,775円/件(128件)


■「信州の山小屋応援プロジェクト」立ち上げの経緯 ~山小屋に応援を届けたい~
2020年、新型コロナの感染拡大により、県内の山小屋に対し発出した長野県からの休業要請のほか、全国的な移動の自粛により登山者が激減したことで、山小屋の経営は大きな打撃を受けました。一方で、山小屋は登山道の維持管理や遭難救助といった公益的な役割を最前線で担っており、登山者がいなくても、倒木の撤去や橋の修繕といった、登山道の維持は定期的に行っていく必要があります。この危機に、長野県では、山小屋の公益的な機能維持のための支援金※1を交付するとともに、全国の皆さまからの応援を届ける仕組みとして、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングを立ち上げました。※2
それから2年、未だコロナの収束は先が見えず、山小屋の経営は厳しい状況が続いています。一人でも多くの方々に現状を知っていただき、応援を届け続けることが必要だ。そんな思いで、今年も第3弾となるクラウドファンディングを実施しています。

※1 長野県「山小屋公益的機能等維持支援金」。クラウドファンディング立ち上げと同じく2020年から実施し、2022年も現在実施中。

※2 2020年、2021年の夏シーズンに実施。計1,399人から、33,025,420円の寄付をいただいた。

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山小屋の公益的な活動~登山道を塞ぐ倒木の撤去

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登山道に積もった雪の除雪

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登山者の負傷等の際は救助活動も担う
情報提供元: @Press