3. コラーゲン産生を促進するタンパク質ANP32Bの特定に成功 真皮幹細胞が分泌するエクソソームが線維芽細胞のコラーゲン産生を促進するメカニズムを明らかにするため、真皮幹細胞由来エクソソームのプロテオーム解析※2を行いました。その結果、真皮幹細胞由来エクソソームに特徴的な74種類のタンパク質を同定しました。この74種類のタンパク質について検討を進め、コラーゲン合成シグナルの一つに関連があるAcidic Nuclear Phosphoprotein 32 Family Member B(ANP32B)と呼ばれるタンパク質に着目しました。 そして、ANP32Bの発現を低下させた真皮幹細胞を作成し、その細胞が分泌したANP32Bが含まれていないエクソソームを線維芽細胞に取り込ませました。その結果、ANP32Bが含まれないエクソソームを取り込んだ線維芽細胞は、ANP32Bが含まれたエクソソームを取り込んだ線維芽細胞に比べ、コラーゲン産生が低いことが分かりました。つまり、真皮幹細胞は、エクソソームによってANP32Bを受け渡すことで、線維芽細胞のコラーゲン産生を促進していることが明らかになりました。