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2月24日、映像制作の新時代の幕開けとなるオンラインカンファレンス「Virtual Production(バーチャルプロダクション)Day 2022」が開催された。
バーチャル空間を利用したリアルタイム映像制作を行うプロダクションワークフロー“バーチャルプロダクション”は、コロナ禍において新しい撮影技術として大きく注目されるようになった。巨大なLEDウォールにリアルタイムレンダリングで生成した3D映像を投影できる“In Camera VFX”型の大型スタジオが昨年後半から日本国内でも設立されており、2月1日にオープンしたばかりの「清澄白河BASE」(東京都江東区)内にあるスタジオもその一つ。今回のカンファレンスは、その清澄白河BASEからライブ配信という形で行われた。
ソニーPCLのディレクター、越野創太氏によるオープニングセッションからカンファレンスがスタートした。木々が豊かな道を優雅に運転する越野氏が画面に映し出される。少しずつカメラが移動し、アップから引きの画になると、車は動いておらず、運転手共々スタジオの中にいることがわかった。この大きなLEDウォールとインカメラVFXという技術を組み合わせたデモンストレーションで、「バーチャルプロダクションとは何か?」の問いに対して、答えを分かりやすく示してくれた。
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映像を投影したLEDディスプレイを背景に撮影する手法は以前からあったが、LEDディスプレイやゲームエンジンの進化によってクオリティが格段と上がり、デモンストレーションの映像のようにバーチャルかリアルかの区別も難しいぐらいになっている。車のボンネットやフロントガラスに、木々や風景の映像がキレイに映り込むことによってリアルさを際立たせていた。現在の主流であるグリーンバックを使っての撮影との違いなども、具体例を示して解説するなど、バーチャルプロダクションの仕組みから使い方、メリットまで、基礎知識を学べる30分間となった。
続いては、パノラマティックス主宰の齋藤精一氏、映画『るろうに剣心』シリーズなどを手掛ける映画監督、大友啓史氏をゲストに招いて、「バーチャルプロダクションが切り開く未来」というテーマでキーノートセッションが行われた。映像制作の最前線にいる2人ということもあり、バーチャルプロダクションをどんなふうに使ってみたいか、今後どのように進化していってほしいかなどについて、自身の経験を踏まえて意見を交わした。具体的な提言も多く、バーチャルプロダクションへの興味がさらに深まった視聴者も多かったのではないだろうか。
そのほかにも、「バーチャルがもたらすコンテンツ産業の変化とメタバースへの展望」や、バンダイナムコエンターテインメントMIRAIKEN studioの取り組みを解説した「キャラクターが実在する空間と新たなファンコミュニティ創出拠点として」、現在放映中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の撮影舞台裏を紹介した「『インカメラVFX元年』いかにインカメラVFXの撮影が実現したか? そして今後のこの技術の可能性はいかに?」など、全9番組が配信された。
本オンラインカンファレンスのアーカイブが本日より配信開始。下記公式サイト内から、映像制作の最先端をぜひご覧いただきたい。
「Virtual Production Day 2022」公式サイト
https://expo.nikkeibp.co.jp/vpd/2022/