■最近の発表の要旨 このほど『Advances in Nutrition(栄養学の発達)』誌に掲載された「閉経後の女性の骨健康の改善に向けた炎症経路の調節におけるプルーンの役割」と題するレビュー論文で、ペンシルベニア州立大学の研究者らは、プルーンの摂取、酸化的ストレス、炎症と好ましい骨健康への転帰の関係を考察し、前臨床試験と臨床試験の結果を要約しました。そこでは、閉経後の女性に見られるプルーンの骨保護の効果が、体内でプルーンが促す抗酸化物質や抗炎症作用に関連している可能性が報告されました。また執筆者らは、プルーンの骨に対する好ましい効果がプルーンの継続的な摂取から生じ得る腸内微生物叢の変化によって部分的に説明し得ることを示唆しました。
「比較的短い期間でも男性被験者たちの骨代謝回転がプルーンの摂取によって良い方向に変化し、研究者として期待を高めています。被験者たちがプルーンを丸一年間毎日食べ続けた後では、さらに望ましい結果が出るのではないでしょうか」と、研究主任を務めるフロリダ州立大学の加齢に関する先端的運動及び栄養研究センター(Center for Advancing Exercise and Nutrition Research on Aging)の教授兼ディレクターであるバーラム・アルジマンディ博士(Bahram Arjmandi、PhD、RDN)は述べています。
●閉経後の女性における骨密度、骨形状、および骨強度に関するプルーンによる食事補給のランダム化比較試験 主任研究員:メアリー・ジェーン・デ・ソウザ博士(Mary Jane De Souza、PhD)、ペンシルベニア州立大学 200名を超える閉経後の女性による、骨破壊に対抗する非医薬的かつ植物由来の戦略としてプルーンが骨の状態に与える影響を調査するものでは過去最大の臨床試験です。
「若い年代での最適な骨形成であれ、成人してからの骨量の減少予防であれ、骨の形成と破壊を継続したサイクルで繰り返すヒトの骨格のダイナミックさを考えれば、骨の健康は年代を問わず決定的に重要なのです」と、カリフォルニア プルーン協会の栄養アドバイザーであるアンドレア・N・ジアンコリ氏(Andrea N. Giancoli、MPH、RD)は述べています。「消化管の健康、炎症、そして体内の酸化状況と密接に関連するこのサイクル内でのプルーンの役割について、さらに理解を深めたいと考えています。」
メアリー・ジョー・フィーニー氏(Mary Jo Feeney、MS、RDN、FADA、FAND)が率いる最高レベルの栄養研究アドバイザリーパネルが、このようなカリフォルニアプルーンに関する研究努力を導く助けとなっています。同パネルは、タフツ大学、クリーブランド・クリニック、ペンシルベニア州立大学、ミネソタ大学、そしてサンディエゴ州立大学を含む学術機関に所属する、豊富な経験を有する研究者や栄養学の専門家によって構成されています。この独立アドバイザリーパネルは、栄養研究プログラムにビジョンを提供するほかこれを監視し、カリフォルニアプルーンの栄養と健康メリットを探る各プロジェクトの科学的厳密性を保証しています。
■参考文献 Damani JJ, De Souza MJ, VanEvery HL, Strock NCA, Rogers CJ. The Role of Prunes in Modulating Inflammatory Pathways to Improve Bone Health in Postmenopausal Women. Adv Nutr. 2022 Jan 3:nmab162. Epub ahead of print.
George KS, Munoz J, Ormsbee LT, Akhavan NS, Foley EM, Siebert SC, Kim JS, Hickner RC, Arjmandi BH. The Short-Term Effect of Prunes in Improving Bone in Men. Nutrients. 2022 Jan 10;14(2):276.