Thermo Scientific FAIMS Pro DuoインターフェースとThermo Scientific Orbitrap Exploris 240質量分析計との組み合わせサーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ(グループ本社:東京都港区、代表:室田 博夫)は、製薬会社、バイオ医薬品メーカーなどの研究者向けに、質量分析における定性・定量分析のデータ品質を高め、生産性を向上させるイオンモビリティーデバイスの新製品『Thermo Scientific FAIMS Pro Duoインターフェース(以下、FAIMS Pro Duoインターフェース)』について、製品情報を発表します。日本国内での販売開始は2021年秋以降を予定しています。 また、7月27日(火)にサーモフィッシャーが主催するWebセミナー『LC-MS新製品発表セミナー』にて、FAIMS Pro Duoインターフェースについて、製品詳細をご紹介します。
サーモフィッシャーサイエンティフィックのアナリティカルインスツルメンツ研究開発担当ヴァイスプレジデントであるIain Mylchreestは次のように述べています。 「現在のワークフローの多くは、適切な結果を得る上で必要なレベルの選択性(分離性能)を確保するために、時間と手間のかかるサンプル調製が必要とされ、スループットを妨げています。FAIMS Pro Duoインターフェースは、新たな気相分離を追加することで選択性を高め、マトリックス干渉を抑制することで、たとえ複雑なサンプルであってもワークフローの生産性を向上させることができます。そのため、研究者は結果を解釈し、開発研究を前進させることに集中できるようになります」
ニューヨーク州立大学バッファロー校薬学部教授兼同校ニューヨーク・センター・オブ・エクセレンス・イン・バイオインフォマティクス・アンド・ライフサイエンスのバイオアナリシス担当チーフサイエンティストのJun Qu氏は、次のように述べています。 「通説に反して、液体クロマトグラフィー(LC)-MSまたはLC-MS/MSによるタンパク質定量の感度を制限する最大の要因は、MSのシグナル強度よりも、複雑に消化されたサンプルに含まれる多数のペプチドに起因する高い干渉によるものです。その点において、FAIMS Pro Duoインターフェースはクロマト分離と異なる選択性を備えており、高い再現性と堅牢性をもって、ケミカルノイズからターゲットを効果的に分離します。トラッピングマイクロLC-MSと組み合わせることで、定量感度が劇的に向上し、血漿/組織中の大きなmAb分子に対して、抗体濃縮を行わずに1~5ng/mLという驚くべき定量限界値を達成します。 このような高感度のハイスループット技術は、LC-MSを用いたタンパク質医薬品の分析や薬物動態研究のバイオマーカーに大きな影響を与えるでしょう」