佐賀市地域循環共生圏づくりのイメージ


本実証実験のイメージ

2050年脱炭素社会の実現を推進する佐賀市(市長:秀島 敏行)、社会にブロックチェーンを実装することをミッションに掲げる株式会社chaintope(本社:福岡県飯塚市、代表:正田 英樹)と電力を通じた地域コミュニティの創造を支援することをミッションに掲げるみやまパワーHD株式会社(本社:福岡県みやま市、代表:白岩 紀人)は、佐賀市における「地域循環共生圏」(=地域が自立し支え合う関係づくり)の一環として、佐賀市内でのエネルギー等の地域内循環を可視化し、ごみ発電電力の地産地消による環境価値を電子証書化するシステムを試作し「地域循環共生圏」具体化可能性の検証作業を行うことをお知らせします。


1. 背景
第203回国会における首相所信表明演説において、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことが宣言され、革新的なイノベーションを実現の鍵と位置づけ、実用化を見据えた研究開発を加速度的に促進する方針が表明されました。
また、我が国のポストコロナにおける成長の源泉の軸として「グリーン、デジタル」が新たに掲げられ、エネルギー・環境分野の中長期的な課題を解決するとともに新たな成長戦略を描くためには、従来の発想によらない革新的な技術の開発や新しいシステムの構築が必要とされています。
2010年に環境都市宣言を行い「地域循環共生圏」を推進している佐賀市では、「資源循環」、「炭素循環」、「人の循環」、「経済循環」をキーワードとして、地域の資源、自分たちの目の前にあるものの可能性をもう一度考え直し、その資源を有効活用しながら環境・経済・社会をよくしよう、資源を融通し合うネットワークをつくっていこう、と市民と共に取り組んでいます。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/242973/LL_img_242973_1.png
佐賀市地域循環共生圏づくりのイメージ
地域循環共生圏とは?(佐賀市ホームページ)
https://www.city.saga.lg.jp/main/57144.html

このような地域循環共生圏内での価値の循環を、ブロックチェーン技術を利用して可視化することにより、さらに多くの市民の行動変容を促し、脱炭素と地域経済活性化につながることを期待し、本検証作業の実施に至りました。


2. 環境価値の可視化
佐賀市では、清掃工場で生み出されるごみ発電による電気(再生可能エネルギー)を市内の公共施設に供給することができるようになりました。令和元年度実績では、佐賀市清掃工場で生み出された電力は、佐賀市内の小中学校および公共施設112ヶ所に供給され、「電力の地産地消」が行われています。このことは市域の二酸化炭素排出量削減や自立・分散型エネルギーとしての価値につながっています。さらに、このことを環境学習に取り入れ、分かりやすく学べるよう、「ごみ発電ゲーム」と称した出前授業を行い、再エネの付加価値向上と環境意識の醸成に努めています。
佐賀市清掃工場発電電力の地産地消の取り組み(佐賀市ホームページ)
https://www.city.saga.lg.jp/main/39695.html

また、同ごみ焼却施設は、ごみを焼却した際に発生する排ガスから二酸化炭素のみを分離回収する設備を設置しており、ごみ焼却施設における日本初CCUプラントです。(※CCUとは、Carbon dioxide Capture and Utilizationの略であり、二酸化炭素の分離回収による利活用を意味しています。)二酸化炭素は、地球温暖化の原因といわれていますが、一方では、炭酸飲料やドライアイスの原料、光合成で成長する野菜や微細藻類の育成促進などに役立つ資源です。佐賀市では、二酸化炭素を野菜や藻類培養に利用するため、平成28年8月から二酸化炭素分離回収設備を稼動させ、現在は本CCUプラントの隣接企業に二酸化炭素を供給し「炭素循環」を行うとともに、企業誘致による「人の循環」と「経済循環」を生み出しています。
二酸化炭素分離回収事業について(佐賀市ホームページ)
https://www.city.saga.lg.jp/main/44494.html

このように、佐賀市では脱炭素社会の実現に向けた先駆的な活動に取り組んできましたが、その活動によって生まれた環境価値を誰もがその正しさを認めるかたちで公開することが難しいという課題がありました。この課題に対して、株式会社chaintopeが開発した独自ブロックチェーンTapyrus※1)を利用し、誰もがその真正性を確認できる電子証書として公開することで、企業間や自治体間での切磋琢磨が促され、政府目標の「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」の後押しが期待できます。また、環境価値を電子証書化することにより環境価値取引などの新しいビジネスの創造や、将来は地域通貨との連携による地域経済活性化につながることも見込まれます。
本取組の第一段階として、佐賀市清掃工場での二酸化炭素排出削減量の見える化・価値化から取り組むこととしました。具体的には、佐賀市清掃工場で生み出された再生可能エネルギー発電実績と佐賀市内公共施設での再生可能エネルギー電気供給サービス利用実績をTapyrusに記録し、佐賀市内で確かに電力が地産地消された証明として「資源循環証書」を発行する実証実験を行います。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/242973/LL_img_242973_2.png
本実証実験のイメージ

株式会社chaintopeでは、第一段階での「資源循環」の証明の取組を足がかりとして、将来的には、地域循環共生圏づくりにおける「炭素循環」、「人の循環」、「経済循環」の取組についてもTapyrusを利用した地域通貨の仕組みなどにより後押しし、持続可能なまちづくりに貢献することを目指します。さらに、国家の新たな成長戦略として位置づけられたエネルギー・環境分野における「J-クレジット制度」※2)との連携も視野にいれることで、我が国の「2050年カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現」に向けた切り札となる可能性もあると考えております。


3. 本取組の体制
株式会社chaintopeおよびみやまパワーHD株式会社は、本取組を協働することにより、「地域循環共生圏」の創造による持続可能な地域づくりを通じて、環境で地方を元気にするとともに、持続可能な循環共生型の社会の構築に取り組んでまいります。
今後もブロックチェーンを活用した社会課題の解決や、高い信頼性が求められるシステムの開発に協力して取り組み、DXを推進するお客様の事業をサポートします。電力分野のみならず、様々な領域での活用を推進してまいります。
なお、本取組にあたって、荏原環境プラント株式会社、新井 康平氏(佐賀大学名誉教授)より技術協力をいただきます。


4. パートナーの募集
本取組の趣旨に賛同いただき、持続可能な循環共生型の社会の構築に共に取り組んでいただける仲間を募集しています。
お力添えいただける企業様からのご連絡を心よりお待ちしております。

お問合せ先: info@chaintope.com (担当:北川)


■株式会社chaintopeについて
「ブロックチェーンインテグレーターとして社会にブロックチェーンを実装する」ことをミッションとして掲げるブロックチェーンテクノロジーカンパニー。独自パブリックブロックチェーンTapyrus(タピルス)を基盤として分散型DX開発プラットフォームを提供し、高速にブロックチェーンアプリケーションを開発し提供いたします。
ウェブサイト: https://www.chaintope.com/


■みやまパワーHD株式会社について
「電力を通じた地域コミュニティの創造を支援する」ことをミッションとして掲げ、地域新電力会社の設立運営による地域課題解決の資金づくり支援、地域課題解決のための自立・分散型エネルギー供給プラットフォームに関するコンサルティングおよび業務受託により、豊かで住みやすい地域づくりをサポートいたします。
ウェブサイト: https://www.miyama-phd.jp/


※1)TapyrusおよびTapyrusプラットフォームについて
Chaintopeが開発するエンタープライズ向けのブロックチェーンであり、進化を続ける最先端のブロックチェーン関連技術を統合的に利用できるシステム開発プラットフォーム。
Tapyrusは、複数の法人で共同運営するコンソーシアムの方針に合わせて、新しい記録を分散台帳に書き込む際のルールを設計でき、かつ公開されているオープンソースソフトウェアを利用して、誰でも自由に分散台帳を閲覧できる透明性をあわせ持つ。開発者はTapyrusプラットフォームの各種サービス(特許技術を含む)を利用し、ブロックチェーンの複雑な要素技術を意識する事なく、安全で高信頼のアプリケーションを開発することができる。
各業界のエンタープライズ向けにブロックチェーン技術を協力して社会実装するパートナー企業を募集中。

※2)J-クレジット制度について
国が認証するJ-クレジット制度とは、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。本制度は、国内クレジット制度とオフセット・クレジット(J-VER)制度が発展的に統合した制度で、国により運営されています。本制度により創出されたクレジットは、低炭素社会実行計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、様々な用途に活用できます。
ウェブサイト: https://japancredit.go.jp/
情報提供元: @Press