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順天堂大学(学長:新井一)とセルソース株式会社(代表取締役社長CEO:裙本理人、以下「セルソース」)は、共同研究講座「スポーツ医学・再生医療講座」(特任教授:齋田良知)を2020年11月に開設しました。同講座は、難治性のスポーツ外傷・障害及び要介護の主因となっている変形性関節症などの運動器疾患の新規治療(バイオセラピー)を開発することにより、健康寿命の延伸を目指します。また、併行して、段階的なバイオセラピーの臨床応用も展開し、2020年12月より、間葉系幹細胞(脂肪由来幹細胞)を用いた治療を開始いたします。
日本は、世界でも有数の長寿国です。しかし、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間である、いわゆる「健康寿命」と「平均寿命」との差は、女性で約12年、男性で約9年(※1)と大きな開きがあります。これは、支援や介護を必要とする「健康上の問題で日常生活に支障をきたしながら生活する不健康な期間」が10年近くもあるということを示しています。
日本において、要支援・要介護状態となった要因のうち、運動器の障害と関係する「関節疾患」と「骨折・転倒」を合計すると、全体の23.3%(※2)をも占めています。そのため、運動器の障害による移動機能の低下は、高齢者の引きこもり・意欲の低下を引き起こし、認知機能の低下にも結び付くため、運動器障害の予防又は健康な状態に戻すことが日本の超高齢社会において重要な課題とされています。
「スポーツ医学・再生医療講座」は、フレイルや要介護の大きな要因の一つとなっている運動器障害や難治性のスポーツ外傷・障害に対する新規バイオセラピー(PRP・間葉系幹細胞・PFC-FD(※3)、エクソソーム)を開発するとともに、その治療効果の判定においても、患者さんのQOL向上を可視化する新しい評価法を確立し、健康寿命の延伸に貢献することを目指しています。
また、現在は、アスリートのみならず中高年者も生涯スポーツとして、様々なスポーツ活動を継続する志向が高まっており、スポーツ活動の継続も健康寿命の延伸に非常に重要な要素となっています。そこで、同講座では、スポーツ外傷・障害に対する治療に直結する運動器に対するバイオセラピーについても研究開発を進めて行きます。
なお、実際の治療効果のデータを蓄積し、随時研究開発へフィードバックするため、同講座にてバイオセラピーの臨床応用も新規治療の研究・開発と併行して展開いたします。まずは2020年12月より、間葉系幹細胞(脂肪由来幹細胞)を用いた治療を開始いたします。その後、エクソソーム等の次世代液性因子を用いた臨床応用も段階的に検討・開始する予定です。
※1 内閣府「令和2年版高齢社会白書」
※2 厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査」
※3 PFC-FD:セルソースが加工を受託する、血液からPRP(多血小板血漿)を作製し、さらに成長因子を濃縮し無細胞化と凍結乾燥(フリーズドライ)の処理を施してパウダー状に調製したもの。
研究により、
(1)既存治療に効果を示さない運動器疾患に悩む患者さんの新規治療の確立、
(2)治療を受けた患者さんの活動機能や認知機能を、最新のIoT技術を駆使して総合的に評価する新規評価法の開発
を目指し、運動器障害の治療戦略にイノベーションを起こして健康寿命の延伸への貢献を目指します。
順天堂大学
順天堂大学は、「不断前進」の理念のもとに学是「仁」を大切にしながら、出身校、国籍、性別の差別のない“三無主義”を学風として掲げ、6学部3研究科6附属病院からなる「健康総合大学・大学院大学」として教育・研究・医療そしてリベラル・アーツを通じて国際レベルでの社会貢献と人材育成を進めております。
順天堂大学ホームページ:https://www.juntendo.ac.jp/
セルソース株式会社
再生医療の産業化推進を目的とし、再生医療を提供する医療機関さまへの法規対応サポートと、脂肪由来幹細胞や血液の加工受託を行う再生医療関連事業を展開しています。再生医療等安全性確保法にもとづく特定細胞加工物製造許可施設(施設番号:FA3160006)にて約14,000件もの細胞等加工を受託しており、豊富な実績をもとに医療機関さまに安心してご利用いただけるサービスの提供と、研究・技術開発に努めています。
本社所在地 東京都渋谷区渋谷1-19-5 渋谷美竹ビル2F
代表者 代表取締役社長CEO 裙本 理人(つまもと まさと)
上場市場 東京証券取引所マザーズ(証券コード 4880)
設立 2015年11月30日
公式サイト https://www.cellsource.co.jp