2020年1月23日(算額文化を広める日)に奉納した算額(問題一)


2020年に奉納した算額 問題一(イメージ)


2020年に奉納した算額 問題二(イメージ)

公益財団法人 日本数学検定協会(所在地:東京都台東区、理事長:清水 静海)は、2020年1月23日(木)に華厳宗大本山「東大寺」(所在地:奈良県奈良市)に奉納した数学の額「算額」2問の解答を2020年9月10日(木)まで募集し、当協会の審査委員による選考を経て、このたび最優秀解答賞、優秀解答賞をあわせて7解答と、団体賞を2校選出いたしました。応募総数は、全国19の学校からの応募を含め、合計1,068件(問題一:760件、問題二:308件)の解答が寄せられました。





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2020年1月23日(算額文化を広める日)に奉納した算額(問題一)



「算額1・2・3」公式ホームページ

https://www.sangaku123.jp/





■2020年の問題は「これまでに大仏さまは何人の参拝者を見てきたか?」と「南大門の重さは何tか?」の2問

今回解答を募集した問題は、昨年2019年までと同様に2問で、問題一は「開眼供養会(かいげんくようえ)から現在までの間、大仏さまは何人の参拝者を見てきたか」という問題です。天平勝宝4年(752年)に、東大寺で大仏さまに瞳を描いて魂を入れる儀式である「開眼供養会」が行われたことから、この問題を作成しました。問題二は、「南大門の重さは何tか」という問題です。東大寺の南大門は国内最大級の山門で、高さ21mの柱が18本も使われているなど、堅固な構造が有名です。今回はその南大門の重さを考えるという問題を作成しました。

いずれの問題も、柔軟な発想やさまざまなアプローチを用いて、自由でユニークな解答を考えることをねらいとしています。





■問題一の最優秀解答賞は、大仏さまにまつわる事柄を多角的な視点で考察した11歳の児童が受賞

問題一の「開眼供養会から現在までの間、大仏さまは何人の参拝者を見てきたか」という問題には、760件の解答が寄せられました。そのなかから最優秀解答賞として、大仏さまの視野、奈良へのアクセス手段の移り変わり、人口の推移、大仏殿の開館時間など、多角的な視点にもとづいて解答を導いた、砂川 大輔さん(11歳、東京都)を選出いたしました。そのほか優秀解答賞3解答と解答内容の要約は以下のとおりです。



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2020年に奉納した算額 問題一(イメージ)





【問題一/最優秀解答賞】砂川 大輔さん(11歳、東京都)

図や表を用いてわかりやすく説明し、大仏さまの視野や人口の推移など、多角的な視点で解答。



【問題一/優秀解答賞】ペンネーム:算額の民/佐藤 裕樹さん、吉田 開人さん、望月 湊さん、吉田 昂生さん、長谷部 航希さん(昭和学院秀英高等学校、いずれも16歳、千葉県)

物理的な見地に基づくアイデアに加え、歴史的なできごとにも触れながら緻密な考察で解答。



【問題一/優秀解答賞】和里田 愛実さん(広陵町立真美ケ丘中学校、13歳、奈良県)

各時代の人口の推移や、鉄道・高速道路などの交通手段の発展に加え、外国人観光客の訪問数も視野に入れて解答。



【問題一/優秀解答賞】大橋 悠生さん(立命館慶祥中学校・高等学校、15歳、北海道)

東大寺の年中行事を考慮に入れながら人数を算出し、ユニークなアプローチによって解答。



問題一の優秀解答と講評一覧

https://www.atpress.ne.jp/releases/234774/att_234774_1.pdf



なお、優秀解答賞は2解答を選出する予定でしたが、3組とも優秀な解答で優劣をつけがたかったことから、今回は上記3解答を優秀解答賞といたしました。





■問題二の最優秀解答賞は、南大門を部位ごとに細分化し、ていねいに検証した14歳の中学生が受賞

問題二の「南大門の重さは何tか」という問題には、308件の解答が寄せられました。そのなかから最優秀解答賞として、南大門の部材を20か所に分けて考察し、梁や柱、屋根瓦、仁王像を細かく分類しながら、それぞれの重さを1つひとつていねいに検証した、砂川 真慧さん(追手門学院大手前中学校、14歳、大阪府)を選出いたしました。そのほか優秀解答賞2解答と解答内容の要約は以下のとおりです。



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2020年に奉納した算額 問題二(イメージ)



【問題二/最優秀解答賞】砂川 真慧さん(追手門学院大手前中学校、14歳、大阪府)

南大門の部材を20か所に分けて考察し、重さを検討する際には、梁や柱、屋根瓦、仁王像を細かく分類しながら、1つひとつていねいに検証を進めて解答。



【問題二/優秀解答賞】木下 結愛さん(広陵町立真美ケ丘中学校、14歳、奈良県)

南大門を独自で考察した図に置き換え、それにもとづいて各部の木材の部分を分けて考え、細かな検証により解答。



【問題二/優秀解答賞】和田 明歩さん(大妻多摩中学高等学校、12歳、東京都)

部材寸法の規格化に関する論文から気づきを得て既存のデータを用いるとともに、近似的なデータも活用して解答。



問題二の優秀解答と講評一覧

https://www.atpress.ne.jp/releases/234774/att_234774_2.pdf





■全国から19の学校が応募!団体賞は中学校2校が受賞

2018年から設けた「団体による応募」には、全国19の学校(小学校1校、中学校10校、高等学校7校、大学1校)から応募がありました。そのなかから、特色あるユニークな取り組みを実施した広陵町立真美ケ丘中学校(奈良県)と追手門学院大手前中学校(大阪府)の2校を団体賞として選出いたしました。取り組みについての講評は以下のとおりです。



【団体賞】広陵町立真美ケ丘中学校(奈良県)

各種統計データや文献など、収集した資料を積極的に活用しながら、自分自身のアイデアや考え方をきちんと解答に表現しているのは、主体的に学習活動に参加していることの表れです。そして何より、みなさんが郷土奈良を愛する心を持っていることの証だといえます。



【団体賞】追手門学院大手前中学校(大阪府)

全体的に、解答を導くための途中経過の説明がていねいに書かれていました。また、課題を提起しながら、順序立てて解決していく様子も明快でした。みなさんが平素から探究型や問題解決型の学習を積極的に行いながら、豊かな創造性を育んでいることが伝わってきました。



当協会は、主たる公益事業である「実用数学技能検定(数学検定・算数検定)」の実施のほかに、今後も広く国民のみなさまに算数・数学を学習する大切さや、楽しさを伝える普及啓発事業を充実させてまいります。





<2020年「算額1・2・3」優秀解答者一覧> ※年齢は応募当時のものです。

【問題一】

最優秀解答賞:砂川 大輔さん(11歳、東京都)

優秀解答賞 :ペンネーム:算額の民/佐藤 裕樹さん、吉田 開人さん、望月 湊さん、

吉田 昂生さん、長谷部 航希さん

(昭和学院秀英高等学校、いずれも16歳、千葉県)

和里田 愛実さん(広陵町立真美ケ丘中学校、13歳、奈良県)

大橋 悠生さん(立命館慶祥中学校・高等学校、15歳、北海道)

【問題二】

最優秀解答賞:砂川 真慧さん(追手門学院大手前中学校、14歳、大阪府)

優秀解答賞 :木下 結愛さん(広陵町立真美ケ丘中学校、14歳、奈良県)

和田 明歩さん(大妻多摩中学高等学校、12歳、東京都)



団体賞:広陵町立真美ケ丘中学校(奈良県)

追手門学院大手前中学校(大阪府)





【「算額1・2・3」とは?】

算額とは、江戸時代の日本で、数学者や一般庶民の数学愛好家たちが額や絵馬に数学の問題や解法を記して、神社や仏閣に奉納しあった歴史ある文化です。「算額1・2・3」は、当協会の理念でもある「算数・数学への興味喚起」を広く国民のみなさまに促すための活動の一環として、算額という古来先人たちが取り組んだ「数学の学びの文化」を現代に復興し、日本の数学文化推進の礎にしたいという想いから企画立案いたしました。東大寺はかつて学問寺として、学僧を養成する大学のような役割を果たしていました。また国内外において圧倒的な知名度をほこることからも、当協会が現代に算額を復興して奉納するお寺にふさわしいと考えました。

また本企画は、「算数・数学に興味をもっていただく機会の増進」「算数・数学を通じた人々の交流の活性化」などを目的としています。





【1月23日は「算額文化を広める日」】

公益財団法人 日本数学検定協会が制定。「算額」を現代に復興して「数学の学びの文化」を広めるのが目的です。1・2・3の数字の並びはだれもが最初に接する数学文化の1つであることから、日付は1月23日になりました。





【実用数学技能検定について】

「実用数学技能検定」(後援=文部科学省。対象:1~11級)は、数学・算数の実用的な技能(計算・作図・表現・測定・整理・統計・証明)を測る記述式の検定で、公益財団法人 日本数学検定協会が実施している全国レベルの実力・絶対評価システムです。おもに、数学領域である1級から5級までを「数学検定」と呼び、算数領域である6級から11級、かず・かたち検定までを「算数検定」と呼びます。第1回を実施した1992年には5,500人だった年間志願者数は、2015年以降は35万人を超え、また、2016年以降は実用数学技能検定を実施する学校や教育機関も17,000団体を超えました。以来、累計志願者数は600万人を突破しており、いまや数学・算数に関する検定のスタンダードとして進学・就職に必須の検定となっています。

日本国内はもちろん、フィリピンやカンボジア、インドネシア、タイなどでも実施され(累計志願者数は30,000人以上)、海外でも高い評価を得ています。※志願者数・実施校数はのべ数です。





【ビジネス数学検定について】(当協会の行うその他のおもな公益事業)

「ビジネス数学検定」は、ビジネスの現場で必要となる実用的な数学力・数学技能を測定する検定です。実務に即した数学力を5つの力(把握力・分析力・選択力・予測力・表現力)に分類し、ビジネスのシチュエーションを想定した問題で、これらの力の習熟度を測定します。インターネット上で受検できるWBT(Web Based Testing)方式を採用。2006年に第1回を実施し、現在では企業の採用試験や新人研修、管理職登用試験などに活用する事例も増加しています。





【法人概要】

法人名 : 公益財団法人 日本数学検定協会

所在地 : 〒110-0005 東京都台東区上野5-1-1 文昌堂ビル6階

理事長 : 清水 静海(帝京大学大学院 教職研究科長・教授、

公益社団法人 日本数学教育学会名誉会長)

会長 : 甘利 俊一(理化学研究所 栄誉研究員、東京大学名誉教授)

設立 : 1999年7月15日

事業内容: (1)数学に関する技能検定の実施、技能度の顕彰及びその証明書の発行

(2)ビジネスにおける数学の検定及び研修等の実施

(3)数学に関する出版物の刊行及び情報の提供

(4)数学の普及啓発に関する事業

(5)数学や学習数学に関する学術研究

(6)その他この法人の目的を達成するために必要な事業

URL : https://www.su-gaku.net/





※「数検」「数検/数学検定」「数検/Suken」は当協会に専用使用権が認められています。

※「ビジネス数学検定」は当協会の登録商標です。

情報提供元: @Press