全樹脂電池の構造と当社ハードカーボン(負極活物質)

JFEケミカル株式会社(以下、「JFEケミカル」)は、昨年4月、次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発、製造及び販売を行うAPB株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役:堀江 英明、以下「APB」)への出資を行いましたが、今回、APBが第三者割当増資を行うにあたり、追加出資を行うことを決定しました。この出資により、JFEケミカルは三洋化成工業株式会社に次ぐ第2位の株式保有比率となります。



APBは、次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池(All Polymer Battery)」の製造及び販売を行うスタートアップ企業です。全樹脂電池は、活物質に樹脂被覆を行い、樹脂集電体に塗布をすることで電極を形成しています。このような独自の製造プロセスにより、従来のリチウムイオン電池よりも工程を短縮することで、製造コスト・リードタイムの削減を実現するとともに、これまでにない高い異常時信頼性とエネルギー密度を実現しています。部品点数が少なくて済むバイポーラ積層型で、樹脂で構成しているため、電極の厚膜化が容易に行え、セルの大型化が可能で形状自由度が高いことも特長であり、リチウムイオン電池理想の構造ともいえます。

APBはこの画期的な全樹脂電池の量産技術を確立し、本格的な製造販売を開始するため、福井県越前市に第1次量産工場の建設を計画し、その資金調達のため第三者割当増資の募集を行うものであります。

JFEケミカルは、この全樹脂電池の製造に不可欠な負極材料であるハードカーボンの主要メーカーとして、APBの発展がハードカーボンの拡販につながるとの認識から、今回追加出資を行い、全樹脂電池の開発、製造に関してもサポートしてまいります。



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/206979/LL_img_206979_1.jpg

全樹脂電池の構造と当社ハードカーボン(負極活物質)



JFEケミカル以外では、JXTGイノベーションパートナーズ合同会社(JXTGホールディングス株式会社のCVC)、株式会社大林組、慶應イノベーション・イニシアティブ1号投資事業有限責任組合、帝人株式会社、長瀬産業株式会社、横河電機株式会社が出資を決めたことにより、APBは総額約80億円の資金調達を実現し、全樹脂電池の量産技術の確立、製造販売の開始に向けた投資を加速していくことになります。





■JFEケミカルの負極材事業

JFEケミカルは、95年より、JFEスチールの製鉄工程で副生するコールタール由来のピッチを原料にリチウムイオン電池向け各種負極材(人造黒鉛-球晶、天然黒鉛系、ハードカーボン)を量産・販売しています。今回のハードカーボンに限らず、リチウムイオン電池の負極材事業において、下記の通り中国市場への進出等の施策を推進してまいります。



1. 当社独自技術によるハードカーボン負極材の拡販(今回)

2. 最大市場である中国におけるニードルコークス系負極材事業の展開

中国宝武炭材料科技有限公司との合弁事業「烏海宝傑新能源材料有限公司」

3. その他既存負極材(人造黒鉛-球晶、天然黒鉛系等)の更なる拡販





■APB株式会社の概要

代表取締役社長:堀江 英明

本社 :東京都千代田区神田岩本町4-12 MCC神田岩本町ビル6階

設立 :2018年10月

事業内容 :リチウムイオン電池の研究開発・製造・販売、

コンサルタント業務等





以上

情報提供元: @Press