富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、微量の紫外線が、肌を乾燥させるメカニズムを解明しました。さらに、生薬としても利用されている「スターフルーツエキス」(*2)に、肌の保水成分を分解して肌の乾燥を引き起こす酵素「ストロメライシン-1」(*3)の活性を抑制する作用があることを発見しました。当社は、2019年11月15日に東京・新宿で開催される皮膚の光老化に関連した「第2回フォトダーマトロジー学会学術大会」にて本研究の成果を発表する予定です。

<今回の研究成果>

① 培養皮膚モデルに紫外線A波(以下、UVA) (*4)を照射すると、肌の保水成分「プロテオグリカン」(*5)を分解する酵素「ストロメライシン-1」が非常に多く発現することを見出しました。また、このストロメライシン-1は、わずか数分間に浴びる程度の微量のUVA(2J/ cm2)(*1)照射により、遺伝子発現量が増加することを確認しました。

② ストロメライシン-1が、5種の保水成分分解酵素を活性化させることを実証しました。

③「スターフルーツエキス」に、ストロメライシン-1の活性を抑制する作用があることを発見しました。

当社は、本研究の成果を、来春発売の機能性化粧品に応用する予定です。

*1 2J/cm2の紫外線A波(UVA)を想定。2J/cm2は、茨城県つくば市で、6月の晴天の日の朝9時に約8分間で浴びる紫外線量に相当(つくば国立環境研究所データをもとに計算)。

*2 南インドなど熱帯アジア原産のスターフルーツから抽出したエキス。

*3 様々なタンパク質を分解する酵素。肌の保水成分「プロテオグリカン」を分解する。

*4 地上に届く紫外線のうち、約95%を占める。波長が長く、雲や窓ガラスを透過する特性がある。

*5 タンパク質と多糖の複合体。

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