調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす公益財団法人 日本生産性本部(東京都千代田区、会長:茂木 友三郎)は、日本的な雇用・人事の潮流を把握し、企業・組織の制度見直しや働き方改革推進の一助とすることを目的に、1997年より、全上場企業を対象に「日本的雇用・人事の変容に関する調査」を不定期で実施しています。

今回の調査は第16回にあたり、2019年1月下旬から3月下旬にかけて実施しました。結果のポイントは以下の通りです(調査概要はp.1)。



○在宅勤務制度(37.3%)、テレワーク制度(21.6%)の導入率が高まる(p.2~p.6)

働き方の見直しにつながると思われる施策の導入率については、「ノー残業デー(ウィーク)設定」が最も高く67.6%。次いで、「フレックスタイム制度」(53.9%)となっている。また、「在宅勤務制度」の導入率は37.3%と前回調査時(2016年)の18.8%から約2倍に伸びている。また、在宅勤務制度以外のテレワーク制度を採り入れている企業も21.6%(前回調査8.3%)と増加している。



○自社の正社員(ホワイトカラー層)の労働生産性、向上しているという企業は46.1%(p.7~p.8)

働き方改革が閣議決定された2016年に比べて、自社の正社員(ホワイトカラー層)の労働生産性(人時生産性)が「どちらかというと向上している」という企業は44.1%と最も多く、次いで「ほとんどかわらない」が40.2%となっている。「かなり向上している」(2.0%)と併せると5割近く(46.1%)が向上していると回答している。



○役割・職務給導入が進む、管理職層で78.5%、非管理職層で57.8%(p.9)

本調査では経年的に賃金体系の内訳を調査しているが、仕事や役割の重さを反映した給与(役割・職務給)の導入が進んでおり、管理職層で78.5%、非管理職層で57.8%とそれぞれ前回調査を上回っている。



○同一労働同一賃金、300人以上企業では約3割の企業が「まだ検討段階で着手していない」(p.10)

同一労働同一賃金への対応として、特に基本給に関しては、約3割の企業が「まだ検討段階で着手していない」と回答している。特に対応が遅れているのは、「会社業績等への貢献に応じて支給する賞与」(37.5%)となっている。



○65歳定年延長企業が徐々に増加して10.8%(2016年調査では5.3%)(p.12)

60歳以降の雇用確保措置としては、「再雇用制度のみで対応(定年は60歳)」という企業が75.5%と大多数を占めている。その一方で、65歳以上に定年年齢を引き上げたという企業は、前回調査では5.3%だったのに対して、今回の調査では10.8%と増加している。

また、再雇用制度導入企業のうち、「定年延長はしない予定」という企業は前回調査では41.9%だったが、今回調査では17.1%に下がり、「定年延長する」という企業は、前回調査では0.8%だったのが2.4%に、「定年延長する方向で検討中」という企業は同じく5.6%から13.4%にそれぞれ増加している。





添付資料: https://www.atpress.ne.jp/releases/183923/att_183923_1.pdf

情報提供元: @Press