外観


内観(1)


内観(2)


内観(3)

京都府長岡京市は、京都・大阪の中間に位置し、ベッドタウンとして子育て世代に人気が高く、また大手企業が本社や工場を多く有しております。したがって、待機児童問題は、長岡京市では長く懸案事項となっております。

この4月1日に開園いたしましたさくらんぼ・かえで保育園は、JR長岡京駅の至近に600坪という敷地を確保したもので、JR長岡京駅前に本社を置く株式会社村田製作所(本社 長岡京市 代表取締役兼会長 村田 恒夫)の社員の子どもも受け入れる企業主導型保育園(かえで保育園:定員30名)と、長岡京市内の子どもが通う認可保育園(さくらんぼ保育園:定員110名)を併設した新しい保育園です。この度、完成見学会を行いました。

建物は木造の耐火建築物とし、火災、地震に強い工法を採用。建築時・建物使用時のCO2削減効果が大きく、建物の長寿命化に効果が高い京都府産木材を躯体に活用し、園児にも安全で環境にも優しい建物を目指しました。

保育園の運営は、社会福祉法人桜桃福祉会(長岡京市 理事長 西村 日登美)。建設は、株式会社辻工務店(長岡京市 代表取締役 辻 正志)、設計・監理は株式会社リヴ(本社 京都府向日市、代表取締役 波夛野 賢)。なお、600坪の建築用地は、株式会社村田製作所(本社 長岡京市 代表取締役兼会長 村田 恒夫)が取得し、桜桃福祉会に賃貸されます。



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/182485/LL_img_182485_1.jpg

外観



建物・構造の主な特長は以下の通りです。

1. 企業に勤める社員の子どもと、地域の子どもを受け入れる複合型保育園で、地域初の試み。働き方改革と、地域の待機児童問題の両方の改善を目指す。

企業主導型保育には病後児保育なども併設する、手厚い支援体制も特長。



2. 国で普及が進められている国産・地域産木材を活用。輸送時のCO2発生が少なく、建築後の耐久性が高い特長を持つ。また、CO2吸収が少ない大型樹木から、吸収が多い若木に移行する、CO2吸収の活性効果も大きな特長。温暖化防止や、土砂崩れなどの山林荒廃の防止策としても注目。



3. 工法は枠組壁工法(ツーバイフォー工法)を採用。大規模な保育室や食堂などの大空間も耐震性を持ったうえで確保している。断熱性など省エネ性能も高く、園児の身体にも優しい。

耐火性においても、耐火建築物とし、鉄骨造などと同等の耐火性も確保。



4. 木造躯体は軽量なため、地盤への負担も少なく、埋蔵文化財地域内のエリアでも、文化財のある地層までの掘削が不要となり、コスト面からも、文化財の観点からも、環境負荷の少ない建築物となる。





以下解説となります。

1. 子育て支援と、働き方改革の中で、国が設置の助成などを行っている「企業主導型保育事業」。勤め先と保育園の距離を縮めることで、子育てと仕事の両立を図りやすい環境を企業も整えます。

従来型の地域の認可保育園も待機児童問題から、増設が望まれています。

今回の建物は、両方を併設する形で、地域と地元企業の協力で働き方、待機児童双方の問題の改善を目指す先進的な事業となります。



2. 木造化における最大の理由は、地域・地球全体からみたサスティナビリティ(維持管理性)の高さである。大気中のCO2を固定化した木材を、長期間使用する建材として使用し、新たにCO2吸収力の高い若木を植えることで、高い温暖化対策効果を発揮します。

森林の伐採においても、京都の森林の90%以上は林業の為の人工林で、多くは、戦後直後に植林され、伐採期を迎えた中でも、海外産におされて伐採が進まず、荒廃が進んでいます。成長が一段落した大型樹木を建材とし、伐採後に成長力(CO2吸収力)の高い若木を植えることで、地域の環境においてもいい循環を生み、地盤保持力や保水力の弱った森林の保全強化にも役立ちます。



3. ホールやランチルームなど大きな部屋の面積と耐震性の両立を図る為、本建物では、枠組壁工法(ツーバイフォー工法)を採用。高い断熱性も特長で、冷暖房負荷も少なく、省エネ性だけではなく、園児にも冷暖房に伴う乾燥・過加湿の問題も軽減されます。

また、建物は耐火建築物とし、鉄骨・鉄筋コンクリートと同等の耐火性能を有した形としています。



4. 建築地は、埋蔵文化財保存地域となっているため、一定以上の掘削は埋蔵文化財の調査が必要されますが、今回の建物は、木造躯体による軽量化により、掘削深度は浅くなり、土木コスト削減とともに、環境負荷の低減・埋蔵文化財の保全の点にも効果があります。





■見学会が20日に開催されました



■建築地

京都府長岡京市神足垣外ヶ内1番地

情報提供元: @Press