左:日本アンテナ 生産本部副本部長 奥川 則夫、右:法政大学名誉教授 中野 久松様(1)


左:日本アンテナ 生産本部副本部長 奥川 則夫、右:法政大学名誉教授 中野 久松様(2)


「コンパクトレンジ測定システム」を用いたアンテナの性能検証の様子(1)


「コンパクトレンジ測定システム」を用いたアンテナの性能検証の様子(2)

日本アンテナ株式会社(本社:東京都荒川区西尾久7丁目49番8号、代表取締役社長:瀧澤 功一、以下 日本アンテナ)はこのたび、法政大学大学院・特定課題研究所・電磁波工学研究所(所在地:東京都小金井市)と産学連携の取り組みの一環として、超高精度電波測定設備「コンパクトレンジ測定システム(※)」によるミリ波アンテナの性能評価を実施したことをお知らせいたします。



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/181898/LL_img_181898_1.jpg

左:日本アンテナ 生産本部副本部長 奥川 則夫、右:法政大学名誉教授 中野 久松様(1)



1.背景

近年、電子機器は情報通信技術の発展に伴い、より一層の高性能化が進んでおります。特に電波によるデータ伝送に関しては、スマートフォンの更なる利活用やIoT技術進展により、高い周波数を利用することで、より多くの電子機器が、大容量のデータを高速、かつ超低遅延に処理されることが望まれております。大学や研究機関においても、高い周波数帯に対する研究に取り組んでおり、実データを用いた技術の検証がより重要になっています。今回の連携は、法政大学が開発したミリ波帯のアンテナの性能検証を、日本アンテナの「コンパクトレンジ測定システム」により実現するものです。





2.法政大学との産学連携の概要

法政大学に、日本アンテナの準ミリ波の測定実証環境として超高精度電波測定設備「コンパクトレンジ測定システム」を提供いたしました。ミリ波帯のアンテナの性能検証を実施した法政大学大学院・特定課題研究所・電磁波工学研究所 名誉教授 中野 久松様のコメントは以下の通りです。



「ミリ波のような高周波数帯域のアンテナを測定する際は、アンテナの大きさによっては、数十メートルの距離が必要となる。天候の影響を受けやすい屋外で行うことも多々ある。例えば大学で同様の検証を実施する際は、校内のビルとビルの間の空間を利用して行うが、雨が降っている場合には、その減衰を考慮する必要がある。したがって、測定結果の精度が落ちる傾向にある。今回「コンパクトレンジ測定システム」を設置した電波暗室で40Gz帯のアンテナ測定を、安定した環境で行え、さらに測定結果も想定していた結果となり、大変有意義であった。

今後通信業界は、5Gの時代、そしてテラヘルツ帯の時代へと進んでいく。新しい分野の技術を開拓していくためには、それに則した測定機器が必須である。今後も研究開発のため日本アンテナの設備を利用していきたい。」





日本アンテナでは、5つの電波暗室を保有しており、そのうちの1つに5G(第5世代移動通信システム)やミリ波伝送システムなど多様な通信周波数を高精度に、かつ、短時間で測定することが可能な「コンパクトレンジ測定システム」を導入したことで、従来の低周波数帯域から次世代の高周波数帯域まで、幅広い範囲の測定ができるようになりました。さらに、当測定システムでは、電波測定の時間、および費用を抑えつつ、業界でも高水準な測定結果を得られることから、効率的な製品開発が可能になり、技術革新の早い通信業界の新たな課題に挑戦することができます。

日本アンテナでは今後も「電波をコントロールする会社」として、大学、研究機関を中心にこれらの施設を提供し、利活用していただくことで、5G・IoT社会の実現に向けて通信業界の技術の発展に貢献し、みなさまの生活を豊かにすることを目指します。





※日本アンテナの「コンパクトレンジ測定システム」の特長

アンテナの遠方界放射特性を測定するには、供試アンテナ(性能を調べるために実験や試験などに提供するアンテナ)に対して平面波の照射が必要なことから、波長、アンテナ開口径に依存した充分な送受信間の距離を確保することが不可欠でした。

日本アンテナが導入した「コンパクトレンジ測定システム」は、「リフレクタ」と呼ばれる特殊な形状の反射板を用いることで、短い距離で遠方界と同等な測定環境を構築できることが特長です。例えば12GHz帯の測定では百メートル以上の屋外のオープンサイトで測定する必要がありましたが、数メートルに送受信間距離を抑えられ、日本アンテナでは従来約2人日を要していた測定時間を約0.5人日に短縮することができました。

また、これまでオープンサイトでの測定結果を既存の「コンパクトレンジ測定システム」で再現することが困難でありましたが、日本アンテナはものづくりの企業として測定精度の向上に傾倒し、性能研究を重ねた結果、卓越した測定精度を得ることが可能となりました。

さらに、閉空間である電波暗室内でアンテナを評価することで、天候や他の到来電波の影響を受けない理想的な環境での測定を実現しており、周波数と距離が密接に関係する電波を、伝送損失の少ない環境で測定することで、当測定システムでは、10~50GHzの高域で広帯域の周波数を、高い精度で測定することができます。





<法政大学大学院・特定課題研究所・電磁波工学研究所について>

電磁波工学研究所は、通信のみならず、計測、情報処理にも関わる電磁波応用を研究対象としています。電波帯からテラヘルツ帯、光波帯までの広い電磁波帯を取り扱っている点に特徴があります。現在、英国スウォンジー大学との共同研究により、次世代アンテナの開発研究を行っています。





■本件に関するお客様からの問い合わせ先

日本アンテナ株式会社 事業戦略室 小沢

お問い合わせフォーム

https://ssl.swcms.net/nippon-antennaPublic/ja/inquiry/inquiry_06.html

情報提供元: @Press