最上悠の最新刊『日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる「感情日記」のつけ方』

精神科医で医学博士の最上悠(もがみゆう。以下、最上)は、2019年4月27日(土)14時30分~17時30分、東京大学本郷キャンパスにて開催される失敗学会フォーラムにて、「失敗学×感情日記は、メンタル不調の特効薬:精神療法の最先端を体感しよう!」と題した体験型ワークショップ形式の講演をします。



本講演は、政府の東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長を務めたことでも知られる、失敗学の権威、畑村洋太郎東京大学名誉教授と、最上が失敗学会で出会い、語り合う中で着想を得ました。実は、古くは精神分析から、現在主流の認知行動療法、そして流行のマインドフルネスや瞑想に至るまで、結局古今東西すべての精神療法は、失敗学という言葉に集約されていくという本質に気付かされたこと、そして対症療法中心の現代精神医学は、その点を本質的に置き去りにしているのではないか、という問題意識を持つようになったことが大きな契機となっております。



最上は、国内で臨床研鑽後、ロンドン大学で認知行動療法、バーミンガム大学で家族療法、ピッツバーグ大学により対人関係療法の臨床指導を正規に受け、現在はそれぞれに指導者資格を所持する精神科医です。ロンドン大学での研究員時代、心と体の結びつきに関する心理医学研究の世界的権威であるジョン・ワインマン教授(現名誉教授)から、いかに多くの現代人が深層感情を鈍化させてしまっているのか、そしてそこに気づきを得ることでいかに効果的に心身の健康を取り戻せるのかを学び、彼自身の研究の存在も示されたのでした。それは、「外科手術を受ける患者が、術前に1回15分の筆記エクササイズを3回行っただけで、術後の傷口の回復が倍速化した」という衝撃的な研究報告でした。

エクササイズとは、「忘れたいような過去の挫折体験やトラウマ的な出来事に対して、そのときに感じた深層感情について書く」ことです。その後、最上は、諸外国ではすでに膨大な医学的検証(無作為化比較試験)による筆記研究(高血圧が改善、免疫が高まりHIVやヘルペスウイルスなどの感染への抵抗力が増強、肝炎ワクチンの効果増強など)が行われていることを知ります。もちろん、この「感情日記」は震災被害や虐待などで生じることで知られるPTSDに対しても、認知行動療法に匹敵する効果が無作為化比較試験で示されているなど、こころの不調にも役立ちます。帰国後、自身の臨床でも筆記を「感情日記」と名付け、数多くの患者に紹介し、大きな効果を上げます。

その実績に基づき、2018年には『日記を書くと血圧が下がる体と心が健康になる「感情日記」のつけ方』(CCCメディアハウス)を上梓しています。



上記のような観点から、本講演では、手軽にできるこころの失敗学エクササイズとしての“感情日記”について解説し、なぜ精神療法が失敗学に集約されるのか、心身の健康を自身で保つためには何ができるのか?といったテーマでワークショップを実施します。



失敗学フォーラムは、事故や失敗を研究し、その発生頻度の低減を目指す特定非営利活動法人失敗学会(理事長:畑村 洋太郎、本部:東京都文京区)が、失敗学の知見と経験を広く世間に伝達することを目的に開催しており、最上が登壇する4月27日で163回目となります。失敗学会会員・社会人・学生を問わず、失敗学に興味のある方であればどなたでも参加できます。





〇第163回 失敗学フォーラムin 本郷

テーマ:「失敗学×感情日記は、メンタル不調の特効薬:精神療法の最先端を体感しよう!」

日時:2019年4月27日(土) 14:30 - 17:30

講師:最上悠

場所:東京大学工学部2号館

資料代: 2,000円、失敗学会員: 1,000円

詳細URL: http://www.shippai.org/shippai/html/index.php?name=event_top





画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/181388/LL_img_181388_1.jpg

最上悠の最新刊『日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる「感情日記」のつけ方』



キャプション:最上悠の最新刊『日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる「感情日記」のつけ方』





【最上悠(もがみゆう)略歴】

精神科医師・公認心理師、医学博士。うつ病や不安症、依存症に多くの治療経験をもつ。薬だけでなく、最先端のエビデンスに基づいた精神療法のエキスパートとしても活躍。学生時代から日本の職場のメンタルヘルス草創期に立ち会い、早い時期から食やサプリメント、読書や運動などの代替医療の重要性を提唱し、自ら積極的に学会発表や臨床実践してきた。複雑なこころの治療では、“ハンマーを持つと、すべてが釘に見える専門家より、多彩な“道具”を持つ「オールラウンド治療者」こそ実戦的、が持論。

株式会社アップルシード・エージェンシー所属の作家として、これまでに『日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる「感情日記」のつけ方』(CCCメディアハウス)、『薬を使わずに「うつ」を治す本』『世界の精神科医がすすめるメンタルサプリ』『家族をうつから救う本』(河出書房新社)、『「脳の炎症」を防げば、うつは治せる』(永岡書店)、「いい人」はなぜガンになりやすいのか』(青春新書INTELLIGENCE)、『きっと、心はラクになる』(かんき出版)、『ネガティブのすすめ』(あさ出版)など著書を多数出版。





【失敗学ならびに失敗学会とは】

2002年設立の失敗学会は、社会的損失をもたらす事故や失敗を研究対象とする失敗学を、社会に浸透させ、経済的損失や死傷者を伴う事故や失敗の低減を目指す特定非営利活動法人です。失敗学は、社会的現象を引き起こす大きな事件から、日常のちょっとした損失の原因となる失敗までを対象として、それらをなくすための方策を提供します。



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