図表1 「働き方改革」と聞いてイメージすること(複数回答)


図表2 職場での「働き方改革」を実感しているか(単一回答)


図表3 職場での「働き方改革」を実感していない理由(複数回答)


図表4 職場での「働き方改革」を実感している理由(複数回答)

一般社団法人日本能率協会(JMA、会長:中村 正己)は、2013年より全国のビジネスパーソン1,000人に対し、職場や仕事に対する考えについて意識調査を行っています。この調査は、働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです。

今回は、政府が最重要課題の1つと位置づける「働き方改革」についてとりあげました。



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/144620/LL_img_144620_1.png

図表1 「働き方改革」と聞いてイメージすること(複数回答)



■トピックス

1.「働き方改革」と聞いてイメージすること、男女とも「有休取得」「残業減」が2トップに。次いで、「育児と仕事の両立」「女性活躍」「生産性向上」が上位に。



2.「働き方改革」を実感していない人、8割超。実感していない理由は、上位から「有休 取りにくい」「給料格差 なくならない」「残業 減らない」。対して、「働き方改革」を実感している人の理由は、上位から「残業 減った」「有休 取りやすくなった」「女性活用 進んだ」。



3.「働き方改革」に向け、今後職場に望むこと、男女とも「有休取得」がトップに。2位以下は、男性「長時間労働の是正」「管理者の意識改革」、女性「非正規社員から正社員への登用」「週休3日制の導入」。





■調査概要

調査名称:第8回「ビジネスパーソン1000人調査」【働き方改革編】

調査期間:2017年9月27日~2017年10月6日 10日間

調査対象:株式会社日本能率協会総合研究所「JMARリサーチモニター」

のうち全国の20歳~69歳までの正規・非正規雇用の就業者

(企業や団体で働く正社員、役員、経営者、契約・嘱託社員、

派遣社員。ただしパート・アルバイト、医師・弁護士などの

専門職業、自由業を除く)

調査方法:インターネット調査

回答数 :1,000人

属性 :[性別]男性555人、女性445人

[年代]20代156人、30代243人、40代240人、50代209人、60代152人

[雇用形態]男性(正規444人、非正規111人)

女性(正規194人、非正規251人)

[勤務先従業員数]5,000人以上170人、1,000~5,000人未満154人、

300~1,000人未満166人、100~300人未満182人、

100人未満328人

※回答は%表記とし、小数点第2位を四捨五入





■調査結果

1. 「働き方改革」と聞いてイメージすること、男女とも「有休取得」「残業減」が2トップに。次いで、「育児と仕事の両立」「女性活躍」「生産性向上」が上位に。

・「働き方改革」と聞いてイメージすることを聞いたところ、全体では「有給休暇が取りやすくなる」(37.6%)が最も多く、次いで「残業が減る」(36.0%)となり、それぞれ4割近くに達しました。

・3位以下については、男女で差がみられました。男性では、3位「生産性が向上する」(28.8%)、4位「育児と仕事が両立できる」(25.9%)、5位「フレックスタイム制が導入される」(22.9%)となりました。

・女性では、3位「女性が職場で活躍する」(32.4%)、4位「育児と仕事が両立できる」(31.9%)、5位「フレックスタイム制が導入される」「テレワーク・在宅勤務が導入される」(ともに26.1%)となりました。



図表1 「働き方改革」と聞いてイメージすることは何ですか。(複数回答)

https://www.atpress.ne.jp/releases/144620/img_144620_1.png





2.「働き方改革」を実感していない人、8割超。実感していない理由は、上位から「有休 取りにくい」「給料格差 なくならない」「残業 減らない」。対して、「働き方改革」を実感している人の理由は、上位から「残業 減った」「有休 取りやすくなった」「女性活用 進んだ」。

・働き方改革を実感しているかどうかを聞いたところ、全体では「あまり実感していない」が41.5%、「まったく実感していない」が39.2%となり、働き方改革を実感していない人は、8割を超えました。

・性別でみると、男性より女性、年代別でみると40代、50代、雇用形態別でみると、正規職員より非正規職員の方が、働き方改革を実感していないことがわかります。



図表2 職場での「働き方改革」を実感していますか。(単一回答)

※「働き方改革」の意味がよく分からないと回答した人除く

https://www.atpress.ne.jp/releases/144620/img_144620_2.png



・働き方改革を実感していない理由を聞いたところ、全体では、1位「有給休暇が取りにくいから」(28.2%)、2位「正社員と非正規社員の給料の格差がなくならないから」(26.6%)、3位「残業が減らないから」(24.1%)でした。

・男女別でみると、男性では、1位「残業が減らないから」(29.8%/女性より12.2ポイント高)、2位「有給休暇が取りにくいから」(28.2%)、3位「生産性が向上しないから」(27.4%/女性より12.3ポイント高)となりました。

・女性では、1位「正社員と非正規社員の給料の格差がなくならないから」(37.7%/男性より20.8ポイント高)で4割近くに達しました。次いで2位「有給休暇が取りにくいから」(28.1%)、3位「管理者が働き方改革に積極的ではないから」(19.4%)となりました。



図表3 職場での「働き方改革」を実感していない理由は何ですか。(複数回答/上位10項目を抜粋)

https://www.atpress.ne.jp/releases/144620/img_144620_3.png



・一方、「働き方改革」を実感している人に理由を聞いたところ、全体では、1位「残業が減った」(38.0%)、2位「有給休暇が取りやすくなった」(31.9%)、3位「女性活躍が進んだ」(24.1%)でした。

・特に男性では、4割を超える人が「残業が減った」と回答しています。「残業減」と「有休取得」は男女ともに働き方改革を実感する大きな要因と言えます。

・男女別にみると、男性では、3位「女性活用が進んだ」「生産性が向上した」(ともに23.4%)、女性では、3位「女性活用が進んだ」(25.4%)、4位「育児と仕事の両立支援が強化された」(20.3%)が続きます。男性では3位につけた「生産性向上」は女性では5.1%にとどまっています。

・上位5項目は、順位は違いますが、働き方改革のイメージの回答とほぼ重なっており、イメージと現実がつながっています。



図表4 職場での「働き方改革」を実感している理由は何ですか。(複数回答/上位10項目を抜粋)

https://www.atpress.ne.jp/releases/144620/img_144620_4.png





3.「働き方改革」に向け、今後職場に望むこと、男女とも「有休」がトップに。2位以下は、男性「長時間労働の是正」「管理者の意識改革」、女性「非正規社員から正社員への登用」「週休3日制の導入」。



・「働き方改革」に向け、今後どのようなことに重点をおいてほしいか聞いたところ、全体では、1位「有給休暇取得の推奨」(33.0%)、2位「長時間労働の是正」(26.9%)、3位「管理者の意識改革」(20.0%)でした。

・男女別にみると、男性では、2位「長時間労働の是正」(33.9%/女性より15.7ポイント高)、3位「管理者の意識改革」(22.9%/女性より6.5ポイント高)でした。

・女性では、2位「非正規社員から正社員への登用」(26.3%/男性より11.5ポイント高)、3位「週休3日制の導入」(20.2%)でした。

・週休3日に関しては、男女とも約2割が望んでいることが分かりました。



図表5 「働き方改革」に向け、あなたの職場では、今後どのようなことに重点をおいてほしいですか。

(あてはまるもの5つまで選択)

https://www.atpress.ne.jp/releases/144620/img_144620_5.png





■結果を受けてコメント(一般社団法人日本能率協会 理事・KAIKAセンター長 曽根原 幹人)

<「有休取得」「残業減」が働き方改革の実感を左右する要因に>

今回の調査では、8割以上の人が「働き方改革」を実感していないことが分かりました。その要因として、男女とも「有休が取れない」「残業が減らない」など、労働時間に関する項目をあげています。小会が本調査とは別に日本企業経営者を対象に行った「経営課題調査」では、約8割の企業が残業削減、休暇取得の推進に着手しており、労働時間に関しては、今後より実感は広まってくるものと思われます。

ただし、女性の4割近くが「正社員と非正規社員の給料の格差」を感じており、労働時間削減だけでは問題が解決しないことが推察できます。



<次のステップは、「管理者の意識改革」と「女性活躍支援」「生産性向上」など積極的な施策を>

有休取得・残業削減を機械的に推奨することは、かくれ残業や休日出勤の温床となりかねません。並行して、仕事の原理原則に立ち返り、不要な仕事をやめてより付加価値の高い仕事へシフトすること、人に仕事を当てはめるのではなく仕事に人を当て、仕事に応じた評価や処遇を行うこと、時間や場所の制約を極限まで減らす職場環境づくりなど、より積極的な施策が重要と考えます。また、管理者の意識改革により、育児・介護などさまざまな環境に応じた中で、実力を発揮してもらえるマネジメントを行うことも必要です。こうした取り組みが結果として、「女性活躍」「生産性向上」につながり、本来の意味で「働き方改革」が実現すると言えます。





【団体概要】

名称 : 一般社団法人日本能率協会

代表者 : 会長 中村 正己

所在地 : 〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-2-2 住友商事竹橋ビル14階

創立 : 1942年3月

事業内容: マネジメントに関する調査研究、人材育成、産業振興、審査・検証

URL : http://www.jma.or.jp/

情報提供元: @Press