早坂 信哉大学教授


東京都23区における入浴中の死亡者数の推移


野崎 豊院長


収縮期血圧の推移

11月26日は“いい風呂の日”。気温の低下と共に湯船に浸かることが増えるこの時期ですが、入浴方法には多くの情報があり、どのような入浴法が健康に良いのか意外と知らないものです。中でも、冬は入浴時の急激な血圧の変化によって引き起こされる「ヒートショック」による事故が多く発生するなど、注意が必要となります。

そこで今回、ヒートショック対策に効果的な方法のひとつとして、ミネラル入りむぎ茶の効果について研究をしている赤穂化成では、健康的な入浴法やヒートショックの専門医にご協力いただき、冬の健康的な過ごし方をご紹介いたします。



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早坂 信哉大学教授



■お風呂の専門医が推奨する入浴の新常識

早坂 信哉(はやさか しんや)先生

東京都市大学人間科学部教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医。

お風呂を医学的に研究している第一人者。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!?TV」など多数のメディアに出演。

主な著書は「たった1℃が体を変えるほんとうに健康になる入浴法」「入浴検定公式テキスト」など。





「お風呂について様々な情報が世の中にあふれていますが、その正しい入り方や医学的な効果は意外と知られていません。そこで今回、健康になる入浴法をご紹介いたします。」



(1)お風呂の温度は40℃:自律神経を整える

40℃程度のぬるめの温度は副交感神経が刺激され、心身ともにリラックスさせる効果があり、血圧が下がるなど効果的です。

→42℃を超えるお湯に浸かると交感神経の働きが活発になり、興奮状態となることで血圧が上昇、また、血液の粘度が上がり血栓ができやすくなるなどのヒートショックを起こしてしまう危険性も。



(2)入浴時間は10分:温熱効果による血流改善

お風呂に浸かることで得られる温熱効果によって、血液の流れが良くなり、新陳代謝が活発になることで老廃物が排出されるなど、健康に効果的です。

→40℃の温度で10分以上の入浴は体温が上がりすぎ、冬でも浴室熱中症になる危険があるので注意が必要です。



(3)半身浴より全身浴:冷えの改善

全身浴の方が体が温まり、血流が良くなるので、冷えの改善に効果的です。また、お湯の量が多く深ければ、その分水圧が強くなることから、全身浴は下半身により大きい水圧がかかるため、足のむくみの解消などにも大きな効果があります。

※心臓や肺に疾患がある方には、水圧がかからず体温が上がりすぎない半身浴が、オススメとなります。





【入浴時の注意】

上記のように入浴は健康に役立ちますが、一方で入浴法を誤ると健康リスクが高まることが分かります。特に、冬の入浴時は、寒い脱衣場と温かいお風呂の温度差が大きいことによる急激な血圧の変化が原因で、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などを引き起こす「ヒートショック」が多発する傾向があります。また、お風呂に入ると汗をかき、500mlくらいの水分とミネラルを失うと言われています。水分とミネラルが失われることで、血栓ができやすくなり血流が低下し、ヒートショックの結果のひとつである心筋梗塞などのリスクが高まるほか、浴室熱中症を引き起こします。そこで、お風呂に入る前後で500~600mlほどの水分を摂ることが大切です。

中でも、発汗により失われるミネラル分を補給するためには、ミネラルの含まれた飲み物(ミネラル入りのむぎ茶など)がオススメです。



■冬に多発する「ヒートショック」による入浴時の死亡事故は、特に12月~2月に多い

入浴中の事故死は、11月から3月までの気温の低い時期に多く、12月~2月は特に多く発生しています。

冬季に多く発生する傾向があり、これからの季節、特に注意が必要です。

冬に多く発生する入浴事故の原因として、脱衣所とお風呂の温度差が大きいことがあげられます。

この急激な温度変化により血圧が上下し、心臓などの血管に大きな負担を及ぼし、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などを起こすことを、「ヒートショック」と呼びます。東京都健康長寿医療センター研究所によると、2011年の1年間で、ヒートショックに関連した入浴中急死者数は約17,000人と推計され、交通事故による死亡者数(4,611人)の3倍をはるかに上回っています。





■東京都23区における入浴中の死亡者数

※過去5年間の平均年間総件数:1408.4

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※過去5年間(平成24年~28年)の月当たりの平均件数

※東京都福祉保健局東京都監察医務院(東京都23区における入浴中の死亡者数の推移より)





■ヒートショック対策に「ミネラル入りむぎ茶」が効果的。入浴前と入浴後の水分&ミネラル補給がポイント

野崎 豊(のざき ゆたか)先生(ノザキクリニック院長)

日本小児学会専門医/認定産業医/日本体育協会公認スポーツドクター/日本東洋医学会 代議員/漢方専門医/臨床内科医会専門医

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■高血圧・動脈硬化の方は、冬の入浴には特に注意!「ヒートショック対策」に効果的なミネラル入りむぎ茶の「血圧低下作用」と「血液さらさら効果」。

冬は夏と異なり、寒さのために血管が収縮して末梢の血行が悪くなることで、血圧が高くなりやすくなります。

ヒートショックは、特に高血圧の方が起こしやすく、また、入浴時は血圧の急激な変化が起きる機会が多いので、注意が必要です。

株式会社伊藤園、赤穂化成株式会社及びノザキクリニックが実施した共同研究では、ミネラル入りむぎ茶を飲むと血圧が低くなる「血圧低下作用」の傾向が認められました。この研究結果では、「収縮期血圧」(最高血圧)、「拡張期血圧」(最低血圧)ともに低下しました。このことから、ミネラル入りむぎ茶を継続して飲用すると、血管が柔らかくなったということが考えられ、心臓の負担をかなり減少させているということが言えます。結果として、血管が硬くなる動脈硬化のリスクの軽減をはじめ、心臓の様々なトラブルを減らす効果が期待できることになります。

また、血液通過時間が短縮する「血液さらさら効果」の傾向も認められました。血行を良くして、血管の詰まりを防ぐ働きも、血圧低下作用と同様に心臓への負担を和らげていると言えるでしょう。

以上の結果から、血圧の乱高下で心臓に負担がかかり心筋梗塞などを招くヒートショックの対策として、ミネラル入りむぎ茶はおすすめの飲料と言えます。





■冬の脱水症状、入浴時には浴室熱中症にも注意。入浴の前と後のこまめな水分&ミネラル補給が必要!

気温の低い冬は体感温度が低いことから喉の渇きを感じにくくなるため、水分が足りないことに気づかずに、水分とミネラル不足になってしまうなど、落とし穴がいっぱいです。寒さのためにトイレの回数が増えたり、厚着による発汗、特に暖房の効いた部屋では空気が乾燥するため、知らず知らずのうちに発汗しています。

入浴においても、冬場は夏に比べて浴室やお湯の温度を上げた状態にする傾向があるので、気づかないうちに多くの汗をかいています。その時には、水分だけでなくミネラル(ナトリウムやカリウム)も失われるため、血流が低下し体温が上昇して、冬でも浴室熱中症を引き起こしてしまう危険があり、注意が必要です。対策としては、入浴の前と後に、こまめに水分とミネラルを補う必要があります(量はコップ1杯~500mlを目安に)。

また、就寝中にも汗で水分とミネラルは失われるので、就寝前、目覚めに補給することが望ましいです。就寝前に飲むことを考えても、カロリーゼロでカフェインゼロのミネラル入りむぎ茶は、小さなお子様からお年寄りまで安心して飲むことができるので、冬場の水分とミネラル補給におすすめできる飲み物です。





■「第60回日本栄養・食糧学会大会」研究発表内容の概要

「海洋深層水ミネラルを含む麦茶飲料の継続飲用がヒト循環器指標に及ぼす影響」

※株式会社伊藤園、赤穂化成株式会社及びノザキクリニックの共同研究

成人男女32名を被験者として、年齢、および収縮期血圧の平均がほぼ等しくなるよう、2つのグループに分けてミネラル入りとミネラル無しの麦茶各500mlを6ヶ月間(初夏~初冬)継続飲用させた。結果、ミネラル入り麦茶グループのみにおいて、血流改善、収縮期血圧、拡張期血圧のいずれも低下が認められたため、ミネラル入り麦茶の継続飲用により定常的な末梢血流状態が改善する可能性(飲用1時間後等の短期改善効果については既に確認、報告済み)、および血圧が低下する可能性が示唆された。ミネラル入り麦茶は主に飲まれる夏期のみでなく、循環器疾患の予防の観点から夏期以外も日常的に継続飲用することが好ましい可能性が示唆されたことになる。





■研究結果

ミネラル入り麦茶の継続飲用で次の効果が認められ、ミネラルを加えていない麦茶では認められなかった。

・【血圧】:収縮期血圧、および拡張期血圧ともに下がる傾向が認められた。(複数時点で有意差あり、p<0.05)

・【血流】:有意な改善傾向が認められた(p<0.05)。



収縮期血圧の推移

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拡張期血圧の推移

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血液通過時間の推移

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情報提供元: @Press