デモ機全体


図1:送電コイルの設計結果


図2:ミニカー走行の試作機


図3:伝送効率の測定事例

株式会社Wave Technology(所在地:兵庫県川西市、代表者:石川 高英)は、磁界共鳴方式(磁界共振方式、共振結合方式)ワイヤレス給電の設計と評価サービスを2017年3月に開始いたします。



無線電力伝送で良く用いられる電磁誘導方式の電力伝送は概ね1cm程度までであるのに対し、当社が保有する磁界共鳴方式では数十cmの距離でも高効率で電力伝送ができるという特長があります。当社はここに着目し龍谷大学と共同で技術開発に取り組んでまいりました(※)。

この度、当社はこの研究開発を通して蓄積した技術やノウハウを活用した、ワイヤレス給電の設計・評価の受託サービスを開始いたします。



※当社は龍谷大学と共同で2013年に世界初(当社調べ)の方式による独自の「3Dフリーアクセスワイヤレス給電技術」を開発しました。この方式は、複数の送電コイルを利用することによって、受電コイルの回転角度の変化に対応したワイヤレス給電を可能とします。





【提供する主なサービスの内容】

●ワイヤレス給電用コイルの設計サービス

アプリケーション(機器)に合わせて最適なコイルの設計を行います。当社が蓄積した技術とノウハウを元に、電磁界シミュレータも活用して各種パラメータの最適化を行い低損失のコイルを設計いたします。

また、コイルと周辺回路(高周波電源や受電回路など)との接続を最適化することで、御要望の伝送距離で伝送効率を最大化いたします。



●磁界共鳴方式ワイヤレス給電の評価サービス

ワイヤレス給電部分の伝送効率や出力電力の評価を実施いたします。ワイヤレス給電は、送電コイルと受電コイルの磁界共鳴がポイントとなりますが、当社はこれを最適化する評価ノウハウも保有しているため、伝送効率の最大化が可能です。

また、ワイヤレス給電の課題の一つであるEMIについて、当社保有の簡易電波暗室を用いた測定サービスも実施いたします。





【ワイヤレス給電用コイルの設計サービスの事例】

コイルの設計サービスの事例として、ワイヤレス給電で走行するミニカーのデモ機をご紹介いたします。

この事例では、送電コイルと受電コイルの設計最適化を行っています。送電コイルは、パラメータ最適化によりコイルから60mmの距離で均一な磁界強度を実現しています(図1)。受電コイルは、パラメータの最適化によってコイル損失最小を実現しています。これら2つの最適化によって、コイルから60mmの距離であればどこでも均一な電力伝送が可能となり、3つのコースのいずれのミニカーも等速で走らせることができています(図2)。

以下のURLご参照ください。

https://www.youtube.com/watch?v=KHbGFfu4r14



図1:送電コイルの設計結果

https://www.atpress.ne.jp/releases/123295/img_123295_2.jpg



図2:ミニカー走行の試作機

https://www.atpress.ne.jp/releases/123295/img_123295_3.jpg





【磁界共鳴方式ワイヤレス給電の評価サービスの事例】

ワイヤレス給電の評価事例として、伝送距離(送受電コイルの間隔)に対する伝送効率の測定結果をご紹介いたします。ワイヤレス給電に使用するコイルを図3(a)に示します。このコイルを図3(b)のように配置し、伝送距離に対する伝送効率を測定しています。伝送効率の測定結果を図4に示します。この伝送効率の測定では、各伝送距離において伝送効率が最大となるように各コイルと周辺回路の接続(ここでは測定器との接続)を最適化しています。伝送距離50mmでは約90%、伝送距離100mmでは約60%の伝送効率が得られています。



図3:伝送効率の測定事例

https://www.atpress.ne.jp/releases/123295/img_123295_4.jpg



図4:伝送効率の測定結果

https://www.atpress.ne.jp/releases/123295/img_123295_5.jpg





【ワイヤレス給電の研究開発のご紹介】

ワイヤレス給電の課題の一つとして、送電コイルと受電コイルの角度関係が変化すると効率や電力が低下する問題があります。当社はこの問題を解決するため、龍谷大学と共同で複数の送電コイルを利用することにより受電コイルの回転(角度の変化)に対応した世界初(当社調べ)の方式による独自の「3Dフリーアクセスワイヤレス給電技術」の研究開発を行っています。

その第一歩として、回転している受電コイルに対して安定した給電を行う試作機を作製いたしました。図5に試作機の写真を示しています。龍谷大学と共同開発した独自の送電技術を用い、2つの送電コイルから同時に給電を行うことで、受電コイルが回転しても安定した効率が得られています(※)。この独自の送電技術に関しては、現在、特許出願中です。



※本研究は、独立行政法人科学技術振興機構 研究成果展開事業A-STEP フィージビリティスタディシーズ顕在化タイプの「3次元フリーアクセス無線電力伝送技術の確立」として行われました。



本試作機の動作は、以下のURLでご確認いただけます。

http://www.wti.jp/contents/r_and_d.htm



図5:3Dフリーアクセス ワイヤレス給電の試作機

https://www.atpress.ne.jp/releases/123295/img_123295_6.jpg





【会社概要】

会社名: 株式会社Wave Technology

所在地: 〒666-0024 兵庫県川西市久代3-13-21

設立 : 1984年9月1日

代表者: 石川 高英

URL  : http://www.wti.jp/
情報提供元: @Press