日米の産業別生産性と付加価値シェア


90年代後半との比較


リーマンショック前との比較

公益財団法人 日本生産性本部は12月12日、「日米産業別労働生産性水準比較」を発表しました。

産業別にみた労働生産性水準対米比は、経済産業省「通商白書2013年版」に産業別日米生産性水準比較(2003~2007年平均)として掲載されるなどしてきましたが、年次が古くなりつつあります。そのため、日本生産性本部は、滝澤 美帆・東洋大学准教授を座長とする「日米産業別労働生産性水準比較研究ワーキンググループ」を立ち上げ、類似データを利用しながら同様の手法で最新年次による比較を行いました。

産業別にみた日本の労働生産性水準(2010~2012年平均)は、製造業で米国の7割、サービス産業で5割でした。日米格差は、1990年代後半と比較すると製造業で3.2%ポイント縮小したものの、サービス産業では0.9%p拡大しています。リーマン・ショック前と比較しても、製造業では日米格差が6.0%p縮小しているのに対し、サービス産業では1.8%p拡大しています。サービス産業の労働生産性水準は、1990年代後半から米国の5割程度にとどまる状況が続いています。





1. 直近の日本の労働生産性水準は、製造業で米国の7割(69.7%)、サービス産業で5割(49.9%)。



・産業別にみた日本の労働生産性水準(2010~2012年平均)は、化学(143.2%)や機械(109.6%)で米国を上回り、輸送機械(92.7%)でも遜色ありません。一方、サービス産業をみると、運輸(44.3%)や卸売・小売業(38.4%)、飲食宿泊(34.0%)などの主要分野で格差が依然として大きいです。

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2. 日米格差は、製造業では縮小傾向にあるものの、サービス産業では米国の5割程度の状況が続き、卸売・小売や運輸などで格差が拡大。



・90年代後半(1998~2000年平均)と比較すると、製造業では日米格差が3.2%ポイント縮小しており、特に化学(+36.7%p)や建設業(+18.2%p)、食品製造業(+10.1%p)などで大幅に改善しました。一方、サービス産業では大きな変化はありませんでした(0.9%p格差が拡大)。飲食・宿泊(+2.5%p)で若干差が縮小したものの、卸売・小売(-6.3%p)や運輸業(-3.6%p)などで格差が拡大しています。

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・リーマン・ショック前(2005~2007年平均)と比較しても、日米格差は製造業(+6.0%p)で縮小する一方、サービス産業(-1.8%p)で拡大しています。飲食・宿泊(+3.2%p)で改善したものの、運輸(-0.2%p)や卸売・小売(-3.3%p)、物品賃貸・事業サービス(-4.5%p)などで日米格差が拡大したことが影響しました。

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報告書の本文は、日本生産性本部・生産性研究センターのホームページ( http://www.jpc-net.jp/study/ )よりダウンロードしてご覧いただけます。
情報提供元: @Press