サービス提供イメージ

 NTTコミュニケーションズ株式会社(略称:NTT Com)は、グローバル企業がマーケティングや認証などの用途で個人の携帯電話番号宛に配信するA2P SMS(※1)のうち、国をまたいで送られるものについて、最適な経路で中継し、低遅延および確実な到達を実現する「A2P SMS国際中継サービス」を、2016年11月10日から開始します。

 本サービスは、スパムSMSの配信などに用いられる不正な経路(グレイルート)をブロックし、A2P SMSの国際中継を行います。携帯電話事業者が本サービスを利用した場合、自社の携帯電話利用者(エンドユーザー)に届くスパムSMSを減少させることができるほか、A2P SMS送信にかかる料金を不当に免れようとする配信業者からの着信を遮断できます。また、A2P SMSを配信する企業が本サービスを利用した場合には、配信遅延の低減と到達率向上を実現できます。





1.背景

 近年、コミュニケーションの手段が多様化し、対話アプリなど新しいツールの利用が浸透しています。そのような傾向にあっても、SMSは、その開封率の高さや、本人性確認に利用できるといった特長から企業による利用が増えており、電子クーポンや重要なお知らせの配信、あるいは認証コードの送信手段などに活用されています。国をまたいだA2P SMSの市場規模は、年平均成長率10%以上で拡大していると言われています(※2)。

 しかしそれに伴い、携帯電話利用者(エンドユーザー)に届くスパムSMSの量も年々増えているほか、不正な経路(グレイルート)を利用するSMSも増加していることから、NTT Comはこれらの課題に対処する国際中継サービスの提供を開始します。



<サービス提供イメージ>

https://www.atpress.ne.jp/releases/116014/img_116014_1.jpg





2.特長

 NTT Comは本サービスにおいて、A2P SMSの配信業者(SMSアグリゲーター)から配信されたSMSを、国をまたいで携帯電話事業者に中継する役割を担います。



(1) 日本の事業者で唯一、不正SMSへの対策機能を備えた国際中継サービスを提供

 A2P SMSの送信にかかる料金を不当に免れたり、スパムSMSを送りつけたりするために、不正な経路(グレイルート)を通ろうとするSMSをブロックします。過去の不正SMSに関するデータベースを参照するほか、新たな不正SMSについてもそのルートを検知して防ぎます。

 これにより、A2P SMSの着信によって着信料金が発生している携帯電話事業者は、A2P SMSの配信業者からその料金を得ることができます。

 また、一般の携帯電話利用者(エンドユーザー)にとっては、迷惑なスパムSMSが減るメリットがあります。さらに、国際のA2P SMSを配信するグローバル企業にとっては、余計なSMSが排除されることによってユーザーへの到達率が上がる効果が見込めます。



(2) 高品質なルートと直接接続し、携帯電話事業者への確実な着信を実現

 国をまたいで配信されるA2P SMSに対して、迂回の少ないルートを提供し、遅延の少ない高品質な中継サービスを提供します。NTTドコモ向けのA2P SMSについては、NTT ComのネットワークからNTTドコモのネットワークへの直接接続を予定しています。

 今後はさらに、IPX(※3)などを通じて世界で700以上の通信事業社と接続しているNTT Comのネットワークを活かし、日本だけでなくグローバルで、接続先となる携帯電話事業者を拡大していく予定です。





3.サービス提供開始日

2016年11月10日



4.今後の予定

 不正SMSをブロックするSMSファイヤーウォール機能について、検知ロジックなどの強化を予定しています。これによって、さらなる不正SMSのブロック率向上が期待できます。





(※1) A2PはApplication to Personの略。人から人へ送られるSMSではなく、Webサービスのサーバーなどから人へと自動送信されるSMSのこと。

(※2) HOT TELECOM社「The Future of International Carriers 2015」より。

   http://www.hottelecom.com/reports/wholesale-2015.html

(※3) IP exchangeの略。NTT Comが保有するグローバルネットワークをバックボーンとし、「国際ローミングデータ中継(GRX)」、「国際ローミング信号中継」、「国際音声通話」、「RIM接続」の4つのサービスを単一のネットワーク上で提供する通信事業者向けの国際中継サービス。
情報提供元: @Press