韓国で検察庁廃止 「刑事司法の大転換」で78年の歴史に幕
韓国で2日、検察庁が廃止され、捜査と起訴・公判の権限をそれぞれ持つ二つの組織が新設された。「刑事司法の大転換」とされ、検察庁は78年の歴史に幕を下ろした。一方、新体制を巡っては運用上の懸念や、人事を巡る政治的駆け引きが広がっており、李在明(イジェミョン)政権にとって新たな火種となっている。
新設されたのは、捜査権を持つ「重大犯罪捜査庁(重捜庁)」と、起訴や公判を担う「公訴庁」。重捜庁は汚職や経済犯罪、内乱・外患などの重大犯罪を担当し、一般的な刑事事件は警察が担う。公訴庁は捜査権を持たないが、捜査機関へ補完捜査を求めることができる。
改編は進歩系の与党「共に民主党」が主導した。同党の韓秉道(ハンビョンド)院内代表は2日、「人権と権利をより厚く保護する新たな刑事司法体系の歴史が始まる」と意義を強調した。
ただ、検察庁廃止が盛り込まれた法案が国会で可決されたのは2025年9月で、短期間での改編となり施設整備の遅れなど不備が指摘されている。
また李氏が指名した重捜庁トップで検察出身の金志容(キムジヨン)氏に対する批判も起きている。過去に検察改革に反対したとの指摘があり、元検事総長の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領と近い関係にあるとの疑惑も浮上している。
金氏は正式な任命の前に、国会の聴聞会に出席しなければならない。与党内の一部からも金氏への反対の声が出ており、任命が滞れば、李政権にとって打撃になる可能性がある。【ソウル川口峻】