「核共有検討」維新91% 自民「保有・共有せず」半数 候補者アンケ
毎日新聞は衆院選の全候補者1285人を対象とするアンケートを実施し、核兵器の保有・共有などについての考えを尋ねた。自民党と連立を組む日本維新の会は、「核共有は検討すべきだ」が91%と他党に比べて突出して高かった。自民は「核保有も核共有もすべきではない」が最多の49%、「核共有は検討」が35%で、核政策を巡る与党の温度差が浮き彫りとなった。
設問は「核保有すべきだ」「核保有はすべきでないが、核共有は検討すべきだ」「核保有も核共有もすべきではない」の3択で回答を求めた。
核共有は、米国の核兵器を日米で共同運用するもの。唯一の戦争被爆国である日本は、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則を国是とし、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が2024年のノーベル平和賞を受賞している。実際に核共有をする場合は「持ち込ませず」の見直しにつながる可能性があり、戦後の安全保障政策が大きく変容することになる。
高市早苗首相は「持ち込ませず」の概念が米国の核抑止力を低下させかねないとして、見直しが持論だ。首相就任後に国会で非核三原則を堅持するか問われても、明言を避けている。
維新は衆院選公約に「核共有の議論開始」と明記し、専守防衛の見直しや憲法改正を含む抑止力強化を前面に掲げた。平和を党是とする公明党がこれまでは連立政権の「ブレーキ役」を担ってきたが、維新は「アクセル役」を自任し、首相の持論を後押ししている。
高市政権は衆院選で勝利すれば国家安全保障戦略など安保関連3文書を年内に改定する方針で、非核三原則見直しが議論になる可能性がある。ただ、自民内に慎重論があることもアンケートで浮き彫りになった。
また、昨年12月、安全保障を担当する首相官邸関係者が、個人的な見解と断った上で「日本は核保有すべきだ」と記者団に語り波紋を呼んだ。参政党は24%(45人)が「核保有すべきだ」と回答し、自民も1%(2人)、維新にも2%(2人)いた。
これに対し、立憲民主党と公明が結成した「中道改革連合」は「核保有も核共有もすべきではない」が94%を占め、共産党(99%)、れいわ新選組(97%)も大半が反対で、与野党の対立軸になっている。中道は公約に「非核三原則の堅持」を掲げる。国民民主党は「核共有は検討」28%、「保有も共有もすべきではない」が62%と見解が割れた。
核政策を巡る強硬姿勢の背景には、東シナ海などで海洋進出を強める中国との関係があるとみられる。中国との付き合い方を聞く質問では、「毅然(きぜん)とした対応」を求めたのは維新91%、参政82%、国民民主67%、自民62%――と続いた。自民には「今の距離感でよい」も23%いた。対中強硬姿勢の候補が多い政党ほど、核保有・共有を求める傾向がある。
アンケートには計1192人が回答し、2日午後5時時点の回収率は92・8%だった。【東久保逸夫、神山恵】