11月の米大統領選を巡り、共和党のトランプ前大統領の陣営は17日、副大統領候補の討論会について「民主党の指名候補が誰になるか分からない」として日程調整を先送りする方針を発表した。高齢不安が広がる民主党のバイデン大統領が出馬を断念するシナリオを念頭に「先に日程を決めるのはフェアではない」と当てこすった。

 トランプ陣営は声明で、バイデン氏に代わってハリス副大統領が大統領候補になると仮定して「ハリス氏が伴走者(副大統領候補)に選ぶ人にとってフェアではない」とした。具体的な副大統領候補には、西部カリフォルニア州のニューサム知事、中西部イリノイ州のプリツカー知事、中西部ミシガン州のウィットマー知事の名前を挙げた。

 共和党は15日、中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催中の党全国大会で、バンス連邦上院議員を副大統領候補に指名した。米メディアによると、ハリス、バンス両氏は16日に電話で、討論会の実施について協議していた。

 バイデン陣営には副大統領候補の討論会の日程を決めることで、ハリス氏とのコンビを既成事実化し、出馬断念を求める声を封じたい思惑があった。トランプ陣営は、こうした思惑も見越して、判断の先送りが得策だと判断したとみられる。【ミルウォーキー秋山信一】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 トランプ陣営、副大統領討論会の日程調整先送り 念頭に「出馬断念」