5月に就任した静岡県の鈴木康友知事が4日、東京・霞が関を訪れ、斉藤鉄夫国土交通相と面会した。リニア中央新幹線の工事を巡って国やJR東海と対立した川勝平太前知事の時代とは一転し、和やかなムードに。斉藤氏は「私は大臣になって2年半たつが、静岡県知事にこの部屋に来ていただくのは初めてだ」と述べ、川勝氏への皮肉を込めたとみられる。

 面会は大臣室で行われ、冒頭のみ報道陣に公開された。鈴木氏は「リニアの必要性はしっかり理解している」と述べる一方、リニアのトンネル工事で大井川の水資源の流出が懸念される問題や、環境保護との両立を図る必要があると強調。岐阜県内のリニアのトンネル工事を巡って周辺の井戸の水位が低下している問題を挙げ、「国が(JR東海を)指導してほしい」と求めた。

 斉藤氏は水資源などの問題は重要と認めた上で、「鈴木知事にはリニアの推進について協力をお願いさせていただきたい」と頭を下げた。【原田啓之】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 国交相が川勝氏への皮肉 「静岡県知事が来るのは初めて」