佐賀県鳥栖市で2023年3月、両親を殺害したとして殺人罪に問われた元大学生の長男(20)に対する控訴審判決で、福岡高裁は6日、懲役24年とした裁判員裁判の1審・佐賀地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 判決によると、当時19歳だった長男は23年3月9日、鳥栖市の実家で50代の父親の胸や首を、犯行を止めようとした40代の母親の胸や背中をそれぞれナイフで刺すなどして殺害した。1審で検察側は懲役28年を求刑していた。

 控訴審で弁護側は1審判決について「父親からの深刻な虐待被害の影響を踏まえていない」などと主張し、刑の軽減を求めた。福岡高裁の松田俊哉裁判長は「(1審判決は)虐待が動機に影響したことは示している。それを踏まえつつ犯行の危険性や、母親を巻き添えにして2人を死亡させた結果の重大性を認めたもので不合理な点はない」などと指摘。「懲役24年が重すぎるとは言えない」とした。【五十嵐隆浩】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 佐賀・鳥栖の両親殺害 20歳長男に懲役24年 高裁、1審に続き