米大統領選に向けた5日の民主党予備選・党員集会では、「支持候補なし」の投票が複数の州で目立った。他に有力な候補がいないこともあるが、大半はイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻を支持するジョー・バイデン大統領(81)への抗議票とみられる。中西部ミネソタ州では全投票の2割弱に達し、支援物資の空中投下などガザでの人道危機への対応に乗り出したバイデン政権が批判をかわせていないことが浮き彫りになった。

 AP通信によると、ミネソタ州予備選は6日早朝の開票率99%の時点で、得票率はバイデン氏は70・6%、2位は「支持候補なし」で18・9%、3位以下の候補らの合計が10・5%だった。同州は、大統領選の本選で勝敗を左右する接戦州(スイング・ステート)の一つであるミシガン州と同様にアラブ系やイスラム系の有権者が多い。

 先月のミシガン州予備選では、バイデン政権のガザ情勢への対応を批判し、同州デトロイト郊外に集住するアラブ系移民らが「支持候補なし」への投票を呼びかけた。共感は若者層やリベラル層に広がった。その結果、「支持候補なし」は投票全体の13%強、10万票超に上り、バイデン陣営に衝撃を与えた。

 ミネソタ州はもともと民主党地盤で、本選への影響はミシガン州に比べて限定的とみられる。ただし、「抗議票」が2割弱に達したことは、ガザ情勢への対応がバイデン氏の支持層離れを招き、深刻な足かせになりつつあることを裏付けた。「支持候補なし」の投票は、東部マサチューセッツ州や西部コロラド州などでも一定数を占めた。【ワシントン西田進一郎】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 バイデン氏、ミネソタ州で「抗議票」2割 ガザ対応への批判かわせず