北朝鮮国営の朝鮮中央通信は12日、国防科学院が11日に新型の多連装ロケット砲の発射実験を行ったと伝えた。多連装ロケット砲は、韓国を攻撃する際の主要兵器になる可能性が高い。今回、軌道を制御するシステムも開発したとしており、攻撃の命中率をあげている模様だ。

 同通信はロケット砲が240ミリ口径で、「戦略的価値と効用性が再評価され、戦場での役割が増大すると確信した」と強調。新たなシステムについては「軍のロケット砲の力を質的に変化させる」と評価した。

 聯合ニュースは、軍関係者の話として、ロケット砲が北朝鮮西部・平安南道(ピョンアンナムド)南浦(ナムポ)付近から黄海に向けて発射されたと報じた。数十キロ飛行した後、海に落下したという。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は2023年8月に軍需工場を視察し、240ミリ口径を含むロケット砲の「操縦化」を実現したことを評価し、生産力を向上させるよう指示していた。専門家からは今回の新型ロケット砲をロシアに輸出する狙いがあるとも指摘されている。【ソウル日下部元美】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 北朝鮮、新型ロケット砲を開発 韓国狙い、軌道制御で命中率向上か