指揮拠点など85カ所以上、標的に

 米中央軍は2日、イラクとシリアで、イラン革命防衛隊や親イラン武装組織の拠点85カ所以上を攻撃したと発表した。ヨルダンで1月28日に米兵3人が死亡した無人航空機(ドローン)攻撃への報復措置で、米軍は長距離爆撃機や125以上の精密兵器を投入した。バイデン大統領は声明で「我々の対応は今日始まった。今後も我々が選ぶタイミングと場所で続ける」と述べた。イランの反発は必至で、中東での緊張が一段と高まる恐れがある。

 中央軍によると、現地時間3日午前0時ごろ、米軍は革命防衛隊の対外活動を担う「コッズ部隊」や関連組織の拠点を攻撃した。指揮統制や情報収集のための拠点、ミサイルやロケット弾、ドローンの貯蔵庫、物資輸送の施設などが標的となった。

 イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとの戦闘を巡って、米国はイスラエル、イランはハマスを支援しており、周辺国では駐留米軍と親イラン武装組織との間で緊張が高まっている。イラクとシリアでは23年10月以降、米軍の拠点が少なくとも165回攻撃された。【ワシントン秋山信一】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 米軍、イラク・シリアの親イラン組織を報復攻撃 長距離爆撃機を投入