「自炊が負担」5割超 「宅食」利用は2割どまり MMD研究所調査
MMD研究所(東京都港区)は23日、保存可能な弁当などの食事を宅配する「宅食」サービスの調査結果を発表した。自炊を負担に感じている人が約5割に上る一方で、宅食の利用経験がある人は約2割にとどまった。栄養バランスの良い食事を手軽に取れる宅食のメリットが広く認知されれば、利用者は今後増える可能性があるという。
調査では、弁当や総菜などを常温や、保存可能な冷蔵、冷凍の状態で宅配するサービスを「宅食」と定義。その日の食事を頼むフードデリバリーとは区別している。2023年12月から今年1月にかけてインターネットで実施し、18~69歳の男女5000人が回答した。
宅食サービスを利用したことがある人は21・8%にとどまった。年代別では10~30代が約30~40%と高く、50代と60代は約9割が利用経験なしだった。MMD研究所の担当者は「SNS(ネット交流サービス)などで広告を目にする若い層で利用経験が多かった。シニア層は介護施設などで頼むケースも含まれるが、ネットに触れる機会の差が結果に表れた」と分析する。
一方、自炊を「負担に感じる」「やや負担に感じる」と答えた人は全体で計53・6%と半数以上に上った。男女の内訳は男性43・4%、女性63・9%で、女性の方が高かった。年代別で大きな差はなかった。
ただ、宅食サービスの利用経験がない人で、今後利用したい意向があると答えた人は男女ともに約2割にとどまった。担当者は「1食300~500円ほどで利用できるサービスもあり、認知が広がればシニア層でも利用者は増える可能性がある」と語った。
主に利用するサービスは、弁当宅配など「ワタミの宅食ダイレクト」を展開するワタミが11・3%でトップだった。2位は「nosh(ナッシュ)」の9・6%。18年のサービス開始ながらインスタグラムなどのSNSをうまく活用し、利用者を増やしたとみられる。【中島昭浩】