性被害を受けたとの申告は虚偽だとするイラストをX(ツイッター)に投稿されて名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが、漫画家のはすみとしこさんに550万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は14日付で、はすみさんの上告を棄却する決定を出した。はすみさんに110万円の支払いを命じた2審・東京高裁判決(2022年11月)が確定した。

 裁判官5人全員一致の判断。小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べた。

 1、2審判決によると、はすみさんは17年6月~19年12月、元TBSの記者から性被害を受けたとする伊藤さんの申告について「枕営業」という言葉とともに、伊藤さんに類似した女性のイラストなど5件を投稿した。

 1審・東京地裁判決(21年11月)は、「許容される限度を超えた侮辱行為」として88万円の支払いを命じた。2審判決は、投稿が多数の人に閲覧されたことなどを踏まえ、賠償額を110万円に増やした。【遠藤浩二】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 伊藤詩織さんを中傷、漫画家への賠償命令確定 最高裁上告棄却