川崎市立稲田小(多摩区)の教諭がプールに注水する際に誤って大量の水を流出させた問題で、市が教諭と同校の校長に水道代金の半額にあたる95万円を支払うよう求めたことに対して、「個人に支払わせるのはかわいそう」といった批判が市教育委員会に殺到している。市教委の担当者は「ひっきりなしの電話で、日常業務に影響が出かねない」などと困惑している。

 市教委によると、市が教諭らへの水道代金の請求を発表した10日から26日までに、批判の電話やメールが125件相次いだ。

 さらに福田紀彦市長が28日の定例記者会見で批判について「感情的には分かる」と一定の理解を示しつつも、「過失の責任は取らないといけない。他の自治体の例から、自腹での半額の支払いが妥当だと報告を受けている」などと主張したことが火に油を注ぐ形になり、翌29日も批判の電話やメールが殺到した。

 問題を巡っては、男性教諭が5月下旬、プールへの注水を止めるのを失念し、用務員が見つけるまでの6日間でプール6杯分にあたる2175立方メートル(190万円相当)の水が流れ続けた。市は流出した水の代金の半額を負担したうえで、残りの半額については教諭と校長に8月末までに支払うよう求めていた。【和田浩明】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 プールの水大量流出、教諭らの賠償を巡り抗議殺到 市長発言で火に油