トランプ前米大統領は15日、自身のソーシャルメディアで、今月21日に東部ニュージャージー州で記者会見を開き、2020年の大統領選を巡って南部ジョージア州で「不正」があったとする報告書を公表すると発表した。同州フルトン郡の大陪審は14日に違法に選挙に干渉したなどとしてトランプ氏ら計19人を起訴したが、トランプ氏は「全ての起訴は取り下げられるべきだ。報告書に基づき、疑いは完全に晴らされる」と主張した。

 トランプ氏は20年大統領選について「不正な選挙だった」と根拠なく主張している。今回改めて「不正」を訴えることで支持者にアピールする狙いがあるとみられるが、共和党内には根拠のない主張に固執する姿勢を疑問視する声もあり、24年大統領選に向けて「報告書の公表」が裏目に出る可能性もある。

 トランプ氏らは20年の大統領選後、ジョージアなど7州で敗北を覆すために州知事や州務長官らに圧力をかけた。フルトン郡の大陪審は14日に同州の組織犯罪処罰法違反などの罪で、トランプ氏や顧問弁護士だったジュリアーニ元ニューヨーク市長らを起訴した。トランプ氏は一貫して違法行為を否定し、「政治的な魔女狩りだ」と主張している。【ワシントン秋山信一】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 トランプ氏、20年アメリカ大統領選の「不正」報告書 21日に公表