2025年大阪・関西万博に日本政府が出展するパビリオン「日本館」の建設工事について、近畿地方整備局は21日、大手ゼネコンの清水建設と76億7800万円で契約したと明らかにした。20日付。一般競争入札が不成立となり、再入札すれば25年4月の開幕に間に合わないとして、予定価格を約10億円引き上げて随意契約に切り替えた。工事完了は開幕の2カ月前になる見込み。

 日本館は鉄骨3階建てで、延べ1万1352平方メートル。世界の要人を迎え入れる役割もあり、万博の「顔」に位置付けられる。

 工事を発注した近畿地方整備局によると、1~5月に一般競争入札を実施した際、67億5180万円としていた予定価格内では応札がなかった。再入札の手続きには時間がかかるため、「開催国の日本政府が出展する日本館が、開催に間に合わない場合の社会的影響は極めて大きい」として、任意で業者を選ぶ随意契約に変更。予定価格を77億円に引き上げ、計59社と交渉したという。

 同局の担当者は「予定価格内で応じてくれる業者が見つかってよかった。開幕に間に合わせたい」と話した。【石川将来】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 万博の日本館、清水建設と工事契約 10億円引き上げ、随意契約