神戸市北区の路上で13年前、高校2年生だった堤将太さん(当時16歳)を刺殺したとして、殺人罪に問われた当時17歳の男性(30)は7日、神戸地裁(丸田顕裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で「同年代の男性を複数回刺したのは事実ですが、殺すつもりはありませんでした」と殺意を否認した。

 初公判には堤さんの父敏さん(64)が被害者参加制度を利用して出廷した。閉廷後、神戸市内で記者会見した敏さんは初めて対面した男性の印象について「一切、目を合わせようとしなかった。人ごとのようで、悪いことをした認識がないように感じた」と語気を強めた。

 公判では男性の父親に対し、「公判までの期間、私たちは命を削ってきた。分かりますか」と問いただす場面も。男性が殺意を否認していることを踏まえ、「誠実な答えは期待できないが、真実を包み隠さず話してほしい」と求めた。【澤俊太郎】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 神戸・高2刺殺、被害者父「人ごとのようだった」 地裁初公判