横浜市・野毛町の日本最古のジャズ喫茶ちぐさが「ジャズミュージアム・ちぐさ」に生まれ変わることとなり、29日に建設予定地で起工式が行われた。文化発信の地としても知られる野毛の新たな名所となりそうだ。

 地上1階、地下1階の構造で10月に完成予定。1階は自由に演奏などが行えるイベントスペースにする。起工式ではジャズシンガー・彩木香里さんの演奏も行われた。

 ちぐさは1933年創業。戦後、サックス奏者の渡辺貞夫さんらが足しげく通って創業者の吉田衛さんがかけるレコードに耳を傾けて学ぶなど若いジャズプレーヤーの育成に一役買ってきた。吉田さんの死後、2007年に地域開発に伴い閉店したが、野毛で飲食店を営む藤澤智晴さんら有志が一般社団法人を発足させ、12年に営業を再開した。

 ミュージアムの館長は、カップヌードルミュージアム横浜の元館長でジャズ通の筒井之隆さんが就任する。若いジャズ演奏家を表彰してきた「ちぐさ賞」も今年で10回目となり、6月1日から8月31日まで応募を募る。

 藤澤さんは「1階はいろんな人が自由に演奏したり、大道芸などイベントでも使えたりする場にしたい。野毛の街らしく、自由で楽しい場所に育てたい」と語っている。【高山祐】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 日本最古のジャズ喫茶ちぐさ、ミュージアムへ 横浜・野毛の新名所に