ウクライナと国境を接するロシア南西部のベルゴロド州に22日、身元不明の武装集団が侵入し、ロシア軍などの部隊と衝突、23日も戦闘が続いた模様だ。ロイター通信などが伝えた。同州知事はウクライナの「破壊工作グループ」が領土内に侵入したと主張、露捜査当局は「テロ事件」として捜査を開始した。一方、ウクライナ側は、侵入したのはロシア国内の反プーチン政権勢力だとして関与を否定している。

 ロイターによると、ベルゴロド州知事は通信アプリ「テレグラム」に、ロシア軍や国境警備隊などが応戦し、少なくとも8人が負傷、民家や行政機関の建物などが被害を受けていると投稿した。23日にも戦闘は続いていると投稿し、「建物2棟は夜通しドローン攻撃を受けた」と述べた。

 「自由ロシア軍」と名乗るプーチン政権に抵抗する民兵組織は22日、ツイッターに同州の町コジンカを「完全に解放した」と投稿したが、事実かどうかは不明だ。ウクライナ・メディアはウクライナ軍情報当局筋の話として、ロシア市民からなる「自由ロシア軍」「ロシア義勇兵団」の2グループによる攻撃との見方を伝えた。

 ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「ウクライナはベルゴロドで起きていることを興味深く見守っているが、我々はこの件と何の関係もない」とツイートした。

 露国営メディアによると、ペスコフ露大統領報道官はこの件でプーチン大統領が報告を受けたと明らかにした上で、ウクライナ東部の激戦地バフムトから注意をそらすのがウクライナ側の目的だと主張した。【ブリュッセル岩佐淳士、国本愛】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 ロシア南西部の戦闘、23日も継続 州知事「破壊工作集団が侵入」