ロシア外務省は19日、米国による対露制裁への対抗措置として、オバマ元大統領ら米国民500人のロシアへの入国を禁じると発表した。ロシアは2022年2月にウクライナへの「特別軍事作戦」を始めて以来、米国のバイデン大統領や政府幹部らの入国禁止措置を講じており、大幅に対象を拡大する形となった。

 オバマ氏以外に入国禁止対象となったのはブリット上院議員(共和党)、知日派としても知られるアーミテージ元国務副長官、著名キャスターのレイチェル・マドー氏、テレビ番組の司会者ステファン・コルバート氏ら。ロシア外務省は「反ロシア感情をあおったり、虚偽情報を流したりした」とする米国の政府や議会、研究機関などの関係者▽ウクライナに兵器を供与している米企業の幹部▽21年1月に起きた米議会襲撃事件の参加者を裁いた関係者――らを対象にしたと説明している。

 またロシア外務省は、3月末にスパイ容疑で逮捕された米紙記者、エバン・ゲルシコビッチ氏の処遇を巡り、米大使館が求めてきた面会を受け入れない方針を再び示した。その理由として、ラブロフ露外相が4月に米ニューヨークにある国連の会議に出席した際、米政府が同行を希望したロシア人記者に査証(ビザ)を発給しなかったことを挙げている。【モスクワ大前仁】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 ロシア、米国人500人を入国禁止 オバマ元大統領ら対象