西新井駅で缶破裂、中身は強アルカリ性洗剤 アルミ容器と反応か
東京都足立区の東武スカイツリーライン西新井駅でコーヒー缶が破裂した騒ぎで、缶の中身は強アルカリ性洗剤だったとみられることが9日、警視庁西新井署への取材で判明した。缶はアルミ製で、警視庁は化学反応による水素ガスの発生で缶が破裂したとみて調べている。
西新井署によると、缶を駅の券売機近くに置いたとされる中国籍の男性(49)は任意の事情聴取に「職場から洗剤を缶に入れて持ち帰った。人を傷つける意図はなかった」と説明したとされる。警視庁の簡易鑑定でも、中身は強アルカリ性洗剤の可能性が高いとの結果が出たという。
破裂で缶から出たとみられる液体に触れた20代の女性客と20代の女性駅員が顔や手、下半身などにやけどのようなけがをした。
東京消防庁によると、アルミ缶などの金属製容器にアルカリ性洗剤を入れると、化学反応で水素ガスが発生し、容器がふたで密閉されている場合には破裂する恐れがあるという。
同様の事故は過去にも発生しており、2012年10月には、東京メトロ丸ノ内線の本郷三丁目駅に停車中の電車内で、乗客の持っていた業務用洗剤入りのアルミ缶が破裂し、乗客ら14人が軽いやけどをした。
危険性を伝えるため、東京消防庁は公式ユーチューブチャンネルで、アルミ缶にアルカリ性洗剤を入れた実験動画(https://www.youtube.com/watch?v=QC93cd3Yo-k)を公開し、注意を呼びかけている。
動画では、筒状に切ったアルミ缶にアルカリ性洗剤を注ぐと、約3時間後には洗剤から水素ガスの気泡が立ち始めた。約6時間後にはぶくぶくと筒から液体があふれ出し、アルミが溶けて穴が開く様子などが確認できる。
東京消防庁は「金属製容器は洗剤と反応し、破裂したり溶けたりすることがある。専用の容器以外に移し替えないでほしい」と呼びかけている。【菅健吾】