米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は4日の記者会見で、ロシアがモスクワのクレムリン(大統領府)への「無人航空機(ドローン)攻撃」に米国が関与したと主張していることについて、「米国は一切関わっていない。ロシアのただのウソだ」と強く否定した。一方で、「情報収集中で、何が起きたか決定的なものがあるわけではない」と述べた。

 タス通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は4日、「ドローン攻撃は米国の指示でウクライナが実施した」と主張した。ウクライナ侵攻を続けるロシアは、ドローン攻撃がプーチン露大統領の暗殺を謀ったものとみており、「適切な時期に対抗措置をとる」と警告している。

 これに対し、カービー氏は「プーチン氏は侵攻を『西側対ロシア』や『米国対ロシア』と表現してきた。ペスコフ氏のウソもこの構図に当てはまる」と反論。「プーチン氏は国家存亡の危機の演出を試みているが、ロシアこそが侵略者だ」と強調した。

 また、ウクライナのゼレンスキー大統領が近く領土奪還に向けた大規模な反転攻勢に踏み切ると示唆していることについて、「米国はウクライナの準備のためにできること全てをやってきた自信がある」と説明した。反転攻勢の開始時期については「ゼレンスキー氏のみが決めることができる」と述べるにとどめた。【ワシントン鈴木一生】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 米が関与否定「露のただのウソ」 クレムリン“ドローン攻撃”に