元プロレスラーの武藤敬司さん(60)が12日、警視庁愛宕署の一日署長を務めた。高校生に対し、SNS(ネット交流サービス)で特殊詐欺や強盗の実行役を募る「闇バイト」の危険性を説明した。

 武藤さんは今年2月にプロレスラーを引退した。この日は東京都立芝商業高(東京都港区)の生徒約300人を前に、制服姿で登場。武藤さんに愛宕署員が特殊詐欺の現状を解説する形で、SNSで「簡単」「短時間」などの誘い文句が並ぶ闇バイトの問題点を紹介した。その上で、武藤さんはお金を稼ぐことの大変さを生徒に説きつつ「闇バイトに染まらないで」と語りかけた。

 警視庁は2022年、特殊詐欺事件で793人を摘発した。インターネットが普及した後に生まれた「デジタルネーティブ」世代の10~20代の若者が全体の約6割を占め、闇バイトを通じて関与するケースが増えている可能性がある。

 講話の最後に、鈴木俊明署長は「甘い言葉に乗せられて犯罪に手を染めてしまうと、描いている夢や人生がなくなってしまう。どうか気をつけてほしい」と呼びかけた。【遠藤龍】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 「闇バイトに染まらないで」 元プロレスラー武藤敬司さんが一日署長