米ニューヨーク・マンハッタン地区の大陪審が30日、ドナルド・トランプ前大統領(76)の起訴を決定した。米大統領経験者が起訴されたのは初めてのことだ。元ポルノ女優に支払った口止め料を巡る不正会計疑惑に関わる罪とみられる。ニューヨーク市の中心部では同日夕、反トランプ派の人々が「トランプは終わった」などと書かれたプラカードや幕を掲げ、歓迎した。

 「トランプはいつもウソをつく」。検察当局や裁判所などが入る建物前では、反トランプ派の人々が幕を地面に広げた。ニューヨーク市在住のローリー・アルバイターさん(64)は「彼はそもそも正当な大統領でもなかった。偽の大統領だ」と強調。「他人を傷つけるような絶対的な力があると、勘違いしている人物を放置しておくわけにはいかない」と話した。

 ニューヨーク市は民主党の地盤で、リベラル色が強い。記者が建物前にいる間、トランプ支持者の姿は見られなかった。ただ、来年の米大統領選に出馬を表明しているトランプ氏にとって、起訴による影響は必至だ。通信アプリ「テレグラム」のトランプ氏を支持するグループでは、「彼は無実なのに起訴された」「彼は再び公職に戻るだろう」などと反発する意見が相次いだ。【ニューヨーク隅俊之】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 「トランプは終わった」「偽の大統領」 民主地盤のNY、歓迎の声