岐阜県各務原市の「各務野自然遺産の森」でマダケが一斉に開花しているのを、岐阜聖徳学園大教育学部の川上紳一教授(66)が見つけ、花粉を電子顕微鏡で観察、撮影した。マダケの開花は120年に1度とも言われ、花粉まで撮影できたのは非常に珍しい。

 撮影したのは今月26日。川上教授が公園で開催されていた昆虫観察の親子講座で昆虫を探していた際、マダケの開花に気付いた。マダケはイネ科の植物で花びらがなく、目立たない花だ。

 川上教授が花を実験室に持ち帰り、大学院研究生の早川貞幸さん(71)が花粉の形態を電子顕微鏡で観察した。マダケの花粉は本来球形だが、乾燥したためへこんでいた。表面には、イネ科の花粉に見られる中央が盛りあがったへそのようなくぼみが一つあった。

 川上教授は「めったに見られない現象を目撃できて、とても感激した。竹は同じ時期に開花するようなので、周辺地域でも竹林があったら注目していると見つかるかもしれない」と話している。

 マダケの花粉の写真は、岐阜聖徳学園大がウェブ上で無料公開している「花粉サーチ」で見ることができる。【荒川基従】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 120年に一度開花する「マダケ」の花粉、岐阜の大学教授が撮影