福岡県太宰府市の日本経済大で17日、学位記授与式(卒業式)があった。2022年にロシアの侵攻から逃れ、日経大が受け入れたウクライナの避難学生も出席し、1年間のプログラムを終えた68人に修了証が授与された。

 日経大は22年4月までに、学術連携協定を結ぶウクライナのキーウ国立言語大の学生と交換留学生ら計68人の授業料を全額無償とし、寮で受け入れた。学生たちは避難後も言語大のオンライン授業を受け、22年6月に13人が言語大を卒業。卒業生は22年秋から日本で就職活動に取り組み、8人が貿易関係などの企業に就職を決めた。戦禍が続く中、言語大の在校生36人は日本に残ることを希望し、23年4月以降も日経大で日本語などを学ぶ。家族がいるウクライナや周辺国に帰国を決めた学生もいる。

 日経大の福岡キャンパス記念体育館であった式には避難学生約40人が参加し、代表してエリザベータ・ペトロバさん(22)が都築明寿香学長から修了証を受け取った。エリザベータさんは4月から東京の大手総合建設コンサルタント会社で働き始める。

 答辞を読み上げたポリナ・コルズニナさん(22)は「ロシアによる侵攻後、すぐに私たちを受け入れ、1年間、私たちの成長を願い、ご指導いただき、心より御礼申し上げる」などと感謝を述べ、「4月から私たちは日本で就職する者、日本経済大学で学び続ける者、家族の元に戻る者などそれぞれの道を歩む。この1年間のご支援や学びを胸に、より良い未来を切り開いていけるよう努力を続ける」と力強く語った。【竹林静】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 ウクライナ避難学生68人に修了証 日本経済大で卒業式