米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は10日の記者会見で、情報機関の分析に基づき、ロシアがウクライナに隣接するモルドバの政権を転覆させて親露派政権の樹立を目指しているとの見方を示した。モルドバの政権がロシアの脅威に効果的に対応しているとし「米国は今後も強力な支援を提供し続ける」と述べた。

 モルドバは旧ソ連構成国で国内に親ロシア派が実効支配する地域を抱える。サンドゥ大統領は親欧米派で、ロシアが政権転覆を企てていると再三批判している。

 カービー氏は米国もこの懸念を共有しているとし、「ロシアの情報機関とつながる関係者がモルドバで抗議活動を起こし、政権を転覆させる反乱をでっち上げようとしている」と指摘。ロシアの別の関係者らによる抗議活動の訓練も予想されているという。一方で、ロシアによる軍事介入については「差し迫った脅威はない」と説明した。

 バイデン大統領は2月にポーランドでサンドゥ氏と会談し、モルドバの主権と領土保全に対する強い支持を改めて表明している。【ワシントン鈴木一生】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 「ロシアがモルドバの政権転覆を計画」 アメリカが見解示す